アウラ(AULA)の2017年秋冬コレクションが、東京・新宿のルミネOにて2017年3月20日(月・祝)に発表された。
3シーズンぶりに見せたショーは静かに始まりを告げた。駆け抜ける序盤のルックは、グレンチェックをメインとしたセットアップ。マニッシュなルックの数々は、肩の落ちたジャケットと側章入りのワイドパンツで、ラフに組み合わせられている。軽い素材感は、斜めに切り込まれたパターンの切り替えや、長い丈に大きく入ったスリットによってその効果を発揮する。
次いで登場したニットのワンピースは、裾で相反するようにレースが揺れている。多彩な素材使いはこれらだけではない。アシンメトリーなウールコートにはファーを添え、ベルベットのワンピースには刺繍を施して、さらにデニムには上品なツイードを張り巡らせ……それぞれのファブリックが汎用性を膨らませていく。
中盤になると、刺激の強いものが主張し始めた。今までの自由な動きある素材たちは、レザーベルトで拘束され、カラーはメタリックシルバーや鮮やかなパープルなど、エキセントリックささえ感じられる様相だ。その中でも特に目立だったキラキラと輝くニットは、透明の糸からできた近未来的造形。繊細な糸たちが光を受けて、ボンテージの下で煌めいている。
終盤に再披露されたジャケットは、序盤にみたものより自由な発想に長けている。メスジャケットにロングジャケットをレイヤードしたような変形、袖の代わりに補ったレザーベルトなど、シルエットからディテールに至るまで変化を付けてクライマックスへと加速した。
ショーの中でめくるめく変わるシーンは、人間の持つ様々な要素を表したからだとデザイナーの川島幸美は語っている。今シーズンのテーマは「ダイバーシティ」。幾多のもの達がひとつとなったこのランウェイで、新たな美の世界が繰り広げられた。