インドネシア発のブランド「ラニ ハッタ(Rani Hatta)」と「バティーク(Bateeq)」の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月22日(水)に東京・渋谷ヒカリエで発表された。
アジアンミーツファッショントウキョーの枠で、タイ、ベトナムの2か国に続く発表となったインドネシア。2つのブランドが、現地の伝統を届けにやってきた。
先陣を切って登場した「ラニ ハッタ」は伝統的なムスリムファッションをモダンに昇華した。特に目立ったのは、ムスリム女性たちが頭を覆うヒジャブ。タイトなスーツのような被り物と、キャップとタートルネックの組み合わせによって、スポーティーな装いとして一新されている。
モノトーンのカラーパレットの中で唯一の柄であったマニッシュなストライプ地にはアイレットが並べられ、クロスした紐がより一層スポーティを強調した。ダウンコートは伝統を崩さぬように薄く仕立てられ、細く取られたキルティングが、紐の交差と相まってより直線的なイメージを生んでいる。それは滑らかな曲線を描く本来のムスリムファッションを覆すようで新鮮に映った。
雰囲気が一変して、後半に登場したのがミシェル チョクロサプトロ(Michelle Tjokrosaqutro)手掛けるバティークだ。主役は一目見ただけで分かるバティック柄。滑らかなスカーフのようなテキスタイルにのせられ、随所に現れた。足元にはストラップやベルトの代わりに、同柄のスカーフをさらりと巻いている。
オリエンタルなムードを纏いながらも、根本にあるのは伝統をモダナイズすること。だから、提案されているアイテムはシガレットポケットのついたMA-1や、プリーツスカートといったトラディショナルとは正反対に位置するものだ。民族衣装に登場する紐のディテールも現代化され、裾で揺れる細いティアードの延長線上で、あるいは半分に割かれたメンズパンツの架け橋で、密やかに存在している。