ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)によるフォーマルウェアのオーダーライン「メイド トゥ メジャー」のビジュアルモデルになった西島秀俊。そのビジュアルで彼は“スーツが似合う男”と評され多くの話題を集めた。
西島はイタリア・ミラノで開催されたジョルジオ アルマーニの2018年春夏メンズコレクションのショーに出席。会場で彼にスーツについて話を聞いた。
西島さんにとって“スーツを着る”とは?
スーツを着ることは、一種の意思表示だと思っています。自分がどれだけ真摯に誠実に向き合っているかというのを示すというか……。それだけではなくて、自分自身の気持ちも組み変わっていくし、僕にとっては、自分の何か魂を入れるような最後の作業というような感じですね。特別な意味があるし、とても大事な瞬間です。
そんなスーツを、体に合わせる体験“メイド トゥ メジャー”はどうでしたか?
自分の体をきちんと図ってスーツを作ってもらった時「スーツってこういう形をして、こういう風に体にフィットするようにできてるんだ」というのを改めて実感しました。人の体は左右のバランスが違ったり、癖があったりしますよね。それを感じさせない美しいシルエットでした。
そして、実際に着ると本当に楽なんですよね。スーツって、堅苦しくて、我慢して着るものだと思っていたんですが、それは全然違って。肩から服を感じて着ることが出来るっていう新たな発見ができました。
ジョルジオ アルマーニ 2018年春夏メンズコレクションより
初めて直にジョルジオ アルマーニのランウェイを見たそうですが、その感想をお聞かせください。
荘厳なところがあったり、軽やかなところがあったり、色んな面がある服だなと改めて実感しました。だからこそ、就任に当たっては服に負けないくらい、もっと自分の中身を充実させなくてはいけないですね。
自分の中身ですか?
服には、自分の内面が映し出されると思うのです。俳優業でも同じ部分はありますが、それとは少し違うのかもしれません。
どういった部分で違いを感じられるのでしょう。
演技の場合は、自分自身と、自分が今までやってきた役の人生が自分の中に蓄積されていく。だから、観客も過去の役やそのキャラクターをどこか投影して、僕のことを見ることがあるのではないでしょうか。そういう点では、見え方が少し違うのではと感じています。
純粋に西島さんを表現できるのが、今回のビジュアルなのかもしれませんね。
はい。モデルのお話をいただいた時、アルマーニさんが内面の話をされていました。というのも、私を選んでくださった理由も「内面にすごく日本的なものを感じた」と。今日着ているスーツの素材を選ぶ時にしろ、すべて“日本的な内面を見て選んだ”とお話くださいました。
無意識と言うか、そんなこと考えてもいませんでしたから、とても不思議な部分はあります。でも、そう言ってくださるからこそ、より自分の中で内面を見つめなおして磨き、それをそのまま服に反映していきたいですね。
当日着用したスーツは、デザイナージョルジオ・アルマーニ本人が指揮をとり西島のために特別に仕立てた3ピーススーツだった。