タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITheSoloIst.)が6番目となる2012オータムコレクションを発表した。フィット感・利便性・デザインにおいて、今まで以上にこだわりが感じられるコレクションは"モノを知り尽くした大人の為のリラックスウェア"をイメージ。デザイナー・宮下貴裕が長期間アメリカで旅先で感じた『必要性』を服のディテールに落とし込む事によって、クラシックなスタイルにワークの要素を追加している。
今回のコレクションで新たに登場したのは、様々な種類のレザーをふんだんに使用し、革の美しさを最大限に引き出すジャケット。表部分にウールツイード、裏部分にはスペインラムを使っているジャケットは絶えず旅に出かける経験からリバーシブル仕様となっており、表と裏で全く違う表情を見せることによって、異なるスタイリングを楽しむ事が出来る。またインナーとしての着用を提案するムートンを用いたジャケットや、メルトンに馬の端皮を使用したベースボールジャケットの内側ポケットはラムスキンが使われ、シープスエードのシャツなどレザーに対するこだわりが見られる。
新たに登場したグリーンレーベルは、宮下独自のスタイリングの手法から着想を得て制作されたダウンベスト・ジャケット。普段ダウンをインナーとして着用する宮下の経験からの実用性を考慮し、中綿には高品質で軽くて高い保温性のあるホワイトグースダウンを90%使用し、通気性のよいフェザーを10%使用することでインナーとしても快適な着用感に。そして上品な光沢と強度を兼ね備えたナイロン素材を用いた。またディアスキンの端革のパーツをパズルのようにはめ込み、ダウンの身頃で挟み込んだ。
スポーティーな切り替えパターンを落とし込んだplaidや無地のシャツは、1%のポリウレタンを使用することによって生地に柔らかみが出る。ニードルを使い起毛させることによってナチュラルなユーズド感を表現した。4thコレクションよりリニューアルされた、シルクサテンをあしらったフォーマルシリーズは、ベース素材にウール・アンゴラツイル、そしていたるところにディアスキンや馬革を使用しており、ワークテイストを加えた。様々な素材を使いサイズ感や全体的な雰囲気を、何度も試行錯誤を繰り返すことによってより完成度の高い仕上がりとなった。
今季のニットコレクションでは、機械ならではの美しさを活かしたシリーズと昔ながらの手法を駆使したハンドワークシリーズ、そして両方の美点を兼ねたアイテムが展開される。アイリッシュウールを使用し、家庭編み機によって作られた虫食いニットはユーズド感を醸し出し、宮下自身も最近好んで着用するタートルネックは100%カシミアで太めの糸を使う事によってボリューム感あふれる仕上がりとなった。
今回のシューズには新たにバレエシューズが展開された。底材には革の中で一番繊維の密度が高く、強度や耐久性の高いヘンズを採用した。また、馬革でウエスタンブーツの切り替えパターンを採用したアーミーブーツなども新登場しており、宮下独自のバランスによってウエスタンとミリタリーを融合させている。これらの靴は、1stコレクションから制作を依頼しているAUTHENTIC SHOES&Co.の竹々原敏之介氏によって、人間工学のアプローチから作られており、履き心地の良さは抜群だ。