トム ブラウン(THOM BROWNE)が、フランス・パリでウィメンズの新作コレクションを発表。2018年春夏ランウェイショーが、パリ・ファッション・ウィーク最終日の2017年10月3日(火)に行われた。
トムブラウンの物語は2人の少女から始まる。彼女たちが寝息を立てて静かに眠る寝室。その隣の部屋では、彼女たちが見ている夢の世界が広がっていた…。
会場となったパリ市庁舎には、豪華なシャンデリアと壁画に混ざり、コロコロ色を変える球体の明かりが灯る。真っ白でぷにぷにとした、2人のエンジェルが登場すると、観客全員を幻想的な世界へと連れていってくれた。
広がるのは海の世界だ。ジャケットには貝殻のスパンコール刺繍が、コートやドレスの上には碇のモチーフがのっている。カラフルなシースルードレスの背中にはタコが張り付き、手足を肩へ腰へと伸ばしている。
Vネックのニットトップには、リボンテープを海藻のよういくるくると巻き付け、その間を泡のようにスパンコールが飛び散らせた。ドレスはマーメイドタイプで、オーガンザが幾重にも重なりその上をパールが転がるようにプリントされ”海の女神”のよう。
トム ブラウンのアイコン・テーラードにも魔法のスパイスを。直線的なカッティング、シルエットは曖昧になり、裾がフレアになったり、身頃の一部分が丸みを帯びたり、アーム全体がぷくーっと広がったりして夢のような形になっている。色とりどりの花々で覆われた、ボリューム満点のジャケットもある。ボトムスはすべてお尻の下あたりまで落ち、アームクリップのようなもので留めて。
シースルー素材で作ったチェック模様、小さな小花が並んだディテール、優しく伸びるリボン。可愛らしい要素がドリーミーな気持ちにしてくれると、伝説の生き物・ユニコーンがラストに登場した。朧気な色みのボディから伸びる大きな金の角と優しげな表情。まるで、おとぎ話の中に身を投じたような夢のようなショーだった。