ツモリチサト(TSUMORI CHISATO)の2018年春夏コレクションは、デザイナーの津森千里がニュージーランドやモーリシャス、ハワイといった海辺の街を旅し、そこで目にしたものを形にした。
出会ったものをかき集めると、海にまつわる夢のようなストーリーになった。物語の主役は、ニュージーランドの守り神として伝えられている「ティキ」だという。深海に潜り、ビーチを闊歩し、そして都会を行く。面白おかしいティキの旅が、あらゆるところに落とし込まれている。
まずは、カラフルな海洋生物たちが集い、今回のランウェイの始まりを告げた。みたこともない、でもどこか楽し気な彼らは、津森自身が空想を交えて描いた手描きプリントや、立体的な刺繍で現れる。続けてフラダンサーたちが現れ、陽気な踊りを披露している。彼女たちが身に着けているものは、時折平面を飛び越えて立体的に表現され、洋服から飛び出した手にもつポンポンや腰巻がハッピーなダンスに拍車をかける。
とにかくカラフルなフリンジベスト、ハッと驚くほど鮮やかなイエローのワンピース。加えて、旅路の景色も表現され、海のグラデーションを想わせるデニムや、夕焼け空をイメージさせるオレンジとパープルのドレスも登場する。キャッチーなモチーフが随所に現れるプレイフルなこの世界には、色がたくさん溢れている。
そんな中でも、女性らしいセンシュアルなエッセンスも忘れていない。ワンピースはシースルー素材で、ランダムな裾からは足がちらりと見え隠れする。マニッシュなセットアップは白の総レースで仕立てて、肌とのレイヤードを楽しむスタイルに。リゾートムード満点のロングドレスルックは、ふわりふわりと風になびいて、エレガンスを兼ね備えている。