ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年1月15日(月)にイタリア・ミラノで発表された。
秋冬らしい穏やかさと温かみ。そして少しの遊び心。今季のヌメロは、クラシックをベースにしたハイブリッド。その中に少しだけソフトな印象を受けた。
クラシカルなダブルのジャケットは、トラックパンツとあわせた。カーディガンとシャツ、ストレートのトラウザーズというオーセンティックであるはずの装いは、ボタンをずらしたり、わざと胸元のリボンタイをアシンメトリーにした。また、クラシカルなレザージャケットには極端に大きいポケットを配することで、ツイストを効かせている。
テーラリングがある一方で、オンブレチェックのコートやジャケットなどから読み取れるどこか牧歌的な要素もある。そこでもやはりハイブリッドな要素は忘れず、インナーにはトラックジャケットをチョイスしているのが面白い。
もうひとつ大切な要素としてミリタリーもあげられる。裏ボアのコートは先述した“ズレのある”クラシックなスタイルのアウターとして採用。さらには、MA-1と同素材のシャツとパンツのセットアップや、ボンバージャケットにセンタープレスの効いた端正なトラウザーズなども登場する。必ずひとつのスタイリングに、何かと何かのエッセンスが必ず混在している。
コレクションを通してひとつだけ、モチーフ的になったものがある。「MOTEL」と描かれたニットとシワ加工のシャツだ。「MOTEL」は、自動車旅行者のための簡素なホテルのこと。おそらく今回の牧歌的なところや正装っぽい要素などを混合させた意図は、ゆったりと旅する男性がそこで見せる様々なシチュエーションを想定してのことかもしれない。