ミッソーニ(Missoni)が、2018-19年秋冬コレクションをイタリア・ミラノで発表した。
過ぎ去りし過去と来るべき未来、変わりゆくものと恒久不変なもの。両者を結びつけることを試みた今シーズンは、80年代初頭の活気と、ニューヨークのダイナミックな風景から生まれるロマン主義をモダンに再解釈する。
ひとつひとつのピースに折衷的な物語が綴られ、パターン、テクスチャー、カラーすべてが共存して軽やかなリズムを奏でる。カラーは、ネイビーやキャメルなどのスタンダードなカラーだけでなく、いきいきとしたオレンジやグリーン、ブルーなどが踊るように組み合わせられた。例えば、オーセンティックなチェック柄は、鮮やかなカラーが混合することで、溌剌とした印象を少しだけプラスしている。
モヘア、カシミヤシルク、レザー、ウール、ベルベットなど質感の異なる素材の組み合わせは、自由な表現を尊重するロマン主義的思考に由来するのだろう。一方で、アニマルパターンのジャカードは、45色からなるパッチワークやステッチによって作り上げられた職人たちの技の賜物。それは不変的であることを象徴する最たるものだと感じられる。
それぞれのシルエットは、特徴的なものは少ない。ダブルのノッチドラペルやシングルのショールカラーのジャケット、わずかにフレアするハイウエストのトラウザーなど。そんな中でも秀逸だったのはアウター。ナッパレザーのカーコートは、マイクロチェックのルームニットが、ボンディングされており、縫い目を強調することで男性らしいボリュームあるフォルムへと導く。
また、ダブルのコートやベルト付きパーカーには、ミッソーニらしくニット素材を用いた。視覚にも触覚にも訴えかけるファブリックと、革新的な技法と卓越した職人技によって、暖かさと快適さが抱合され、ふんわりとした着心地を実現する。