「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」が、2018年9月26日(水)から12月17日(月)まで、国立新美術館にて開催される。

ピエール・ボナール《猫と女性》1912年頃 油彩、カンヴァス オルセー美術館
©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

ピエール・ボナールは、19世紀末から20世紀前半にかけてフランスで活躍した画家。ゴーガンの周囲に集まった若い画家達が結成した「ナビ派」の一員であったボナールは、浮世絵の影響を受けながら躍動的かつ装飾性に富む作品を生み出し、"色彩の魔術師"、"日本かぶれのナビ"とも呼ばれている。

今回の「ピエール・ボナール展」は、パリ・オルセー美術館の特別協力を得た大規模な回顧展。オルセー美術館のコレクションを中心に、140点以上の作品が集結する。絵画はもちろん素描や版画、写真など多岐にわたる作品を通じて、謎多き画家ボナールの魅力に迫る。

《グラン・ランの庭で煙草を吸うピエール・ボナール》1906年頃 オルセー美術館
©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

会場ではボナールの作品をテーマ別に俯瞰できる章構成になっている。"日本かぶれのナビ"と題した章では、浮世絵のように平坦な色面構成を用いた作品や、掛け軸風の縦型作品などを通じて、日本美術がボナールに与えた影響を明らかにする。続く"ナビ派時代の版画作品"では、ボナールを一躍有名にしたリトグラフによるポスターや版画集を紹介。

 
​​​​​​左)ピエール・ボナール《身づくろい》1914年 油彩、カンヴァス オルセー美術館
©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
右)ピエール・ボナール ジュール・ルナール『博物誌』表紙挿絵 エルネスト・フラマリオン、パリ 1904年 個人蔵

コダックの手持ちカメラで撮影した日常のスナップ写真から創造のプロセスを探るのは"スナップショット"。"近代の水の妖精たち"では、ボナール絵画の代名詞「浴室の裸婦」に、色彩や構図などの独自性を見出すことができる。

「親密さ」をテーマに室内画を紐解く"室内と静物「時間の静止」"や、ボナールが滞在したノルマンディー地方などで描かれた風景画を紹介する"ノルマンディーやその他の風景"が続き、最後は晩年を過ごした南仏ル・カネの風景を中心に、色彩に溢れた"終わりなき夏"とも言うべき作品群で締めくくる。

【詳細】
オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展
会期：2018年9月26日(水)～12月17日(月) ※毎週火曜休館
開館時間：10:00〜18:00 ※金・土曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
会場：国立新美術館 企画展示室 1E
住所：東京都港区六本木7-22-2

【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL：03-5777-8600