東京のパナソニック汐留美術館では、開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年「フランク・ロイド・ライト─世界を結ぶ建築」を、2024年1月11日(木)から3月10日(日)まで開催する。愛知の豊田市美術館でも開催される巡回展だ。
アメリカ近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト。「カウフマン邸(落水荘)」や「グッゲンハイム美術館」などを手がけたライトは、現在その一部が移築保存されている「帝国ホテル二代目本館」や、「自由学園」を設計するとともに、浮世絵にも関心を持つなど、日本と縁の深い建築家でもあった。
四半世紀ぶりの回顧展「フランク・ロイド・ライト─世界を結ぶ建築」では、国際的に活躍した建築家の先駆者として、ライトを紹介。日本初公開となる精緻なドローイングなど約390点の資料を通して、人と自然と建築の関わり、さまざまな文化との交流など、ライトが建築において追求したテーマを浮かび上がらせてゆく。
本展の見どころのひとつが、ライトによる肉筆のドローイングだ。余白を大きくとったり、近くのものを拡大して描いたりと、独特の構図を取り入れたライトの図面は、日本の浮世絵との出会いを契機に生まれたものであり、従来の建築図面とはまったく異なっている。会場では、ライトのドローイング39点を目にすることができる。
ライトは、その土地の環境や気候に適い、人の生活を豊かにする建築を志向した。たとえば、初期の「プレイリー・ハウス」は、アメリカ中西部の平原や原生植物に着想を得たものだ。また、日本の変化に富んだ地形、風景や植生にも刺激を受け、やがて代表作「落水荘」を手がけることになる。本展では、プレイリー・ハウスの代表作「クーンリー邸」や「ロビー邸」、日本の「山邑邸(現・ヨドコウ迎賓館)」や「小田原ホテル計画案」など、人、自然、建築が有機的に関わる建築を紹介する。
ライトは、普遍的な建築システムの探究にも取り組んでいる。その例が、小さなものから大きなものにまで展開できる「ユニット・システム」だ。これは実際、1930年代後半より、一般的なアメリカ国民が住むことができる安価な住宅「ユーソニアン住宅」へと応用されている。会場では、初期の木造ユーソニアン住宅である「ベアード邸」を手本に、原寸モデルを展示する。
開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年「フランク・ロイド・ライト─世界を結ぶ建築」
会期:2024年1月11日(木)~3月10日(日)
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 4F
開館時間:10:00〜18:00
※2月2日(金)、3月1日(金)・8日(金)・9日(土)は20:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:水曜日(3月6日(水)は開館)
入館料:一般 1,200円、65歳以上 1,100円、高校・大学生 700円、中学生以下 無料
※障がい者手帳の提示者および付添者1名までは入館無料
※画像の無断転載を禁ずる。
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TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)