展覧会「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」が、東京・六本木の森美術館にて、2025年2月13日(木)から6月8日(日)まで開催される。
現実とデジタル空間が接続し、人工知能(AI)が劇的に発展するなど、新しいテクノロジーは現代の日常生活に急速に浸透しつつある。一方、コンピューター・アートやビデオ・アートに見るように、テクノロジーはアートと並走するものでもあった。近年においても、ビデオゲームやAIの発展は、アーティストの創作に大きな影響を与えているといえる。
「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展は、AIや仮想現実(VR)、ゲームエンジン、そして近年発達が進む生成AIなど、テクノロジーを取り入れた現代アートを紹介する展覧会。現代アートばかりでなく、デザインやゲーム、AI研究などで高く評価されているアーティストやクリエイター12組を取り上げ、デジタル映像作品、平面作品や立体作品、インスタレーションなどを展示する。
会場の序盤では、デジタル空間のキャラクターに着目。メディア・アートの世界的な賞を受賞してきた韓国のキム・アヨンは、配達サービスの移動の軌道を捉えつつ、ソウルという都市空間をバイクで移動するキャラクターのラブストーリーをも描きだす映像作品《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》を出品する。
本展では、テクノロジーと人間の精神性の関わりを探るアーティストも紹介。チベット仏教の実践者であるルー・ヤン(陸揚)は、テクノロジーと大衆文化の要素を取り入れた映像作品を通して、人間の身体と意識について探ってきた。自身のアバター・ドク(DOKU)が登場する作品《独生独死—自我》では、スピリチュアルな空間を旅しつつ、身体と精神の関係性やアイデンティティなどを問いかけている。
会場の終盤では、AI研究の第一人者であるケイト・クロフォードと、情報通信技術研究者でありアーティストでもあるヴラダン・ヨレルとが協働して手がけた《帝国の計算:テクノロジーと権力の系譜 1500-2025年》を展示。グーテンベルグの活版印刷術による文化的変化など、16世紀以降のテクノロジーと権力の関係性を、幅24mにわたって表現した同作によって、クロフォードとヨレルのふたりは、メディア・アートに革新をもたらしたアーティストに贈られる賞を受賞している。
展覧会「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」
会期:2025年2月13日(木)~6月8日(日) 会期中無休
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
開館時間:10:00~22:00
※火曜日は17:00まで(4月29日(火)、5月6日(火)は22:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
■観覧料
・平日=一般 2,000円(1,800円)、高校・大学生 1,400円(1,300円)、中学生以下 無料、65歳以上 1,700円(1,500円)
・土日休日=一般 2,200円(2,000円)、高校・大学生 1,500円(1,400円)、中学生以下 無料、65歳以上 1,900円(1,700円)
※( )内は、専用オンラインサイトでの購入料金
※事前予約制(日時指定券)を導入。専用オンラインサイトより日時指定券を購入のこと
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館可
■出展アーティスト
ビープル、ケイト・クロフォード、ヴラダン・ヨレル、ディムート、藤倉麻子、シュウ・ジャウェイ(許家維)、キム・アヨン、ルー・ヤン(陸揚)、佐藤瞭太郎、ジャコルビー・サッターホワイト、ヤコブ・クスク・ステンセン、アドリアン・ビシャル・ロハス、アニカ・イ
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)