東京都写真美術館では、展覧会「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」を、2025年4月5日(土)から6月22日(日)まで開催する。
東京都写真美術館は、1990年の一次施設開館を経て、1995年、日本唯一の写真と映像の総合的な専門美術館として総合開館した。「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」展は、5つのテーマから構成される、オムニバス形式の展覧会。約38,000点もの収蔵作品のなかから、多角的な視点のもとで選りすぐった写真・映像作品を紹介する。
たとえば「写された女性たち 初期写真を中心に」では、写真黎明期の19世紀後半から20世紀初頭にかけて、写真に写された女性に着目。写真では、撮影されるかぎり、被写体は誰かに「求められる」受動的な位置に置かれる。本展では、フェリーチェ・ベアトやアウグスト・ザンダーなどの作品を取り上げつつ、一見すると誰かに「求められる」姿で写りながら、わずかにでも自分が「望む」姿で写ろうとする女性像に光をあてる。
「移動の時代」では、20世紀において劇的に広がることになった人々の「移動」がテーマ。当時は、交通の発達と技術革新を背景に、世界がより密接に結びつく一方、政治的・経済的困難から逃れるべく、人々が国境を越えて移動した時代でもあった。会場では、アルフレッド・スティーグリッツやルイス・ハインなどの作品を通して、20世紀の「移動」がもたらしたものを探ってゆく。
「うつろい 昭和から平成へ」では、東京都写真美術館が総合開館した1995年に目を向け、昭和時代末期から平成時代初期にかけての写真・映像表現、その時代背景を紹介。当時開催された総合開館記念展「写真都市 TOKYO」を再現し、荒木経惟や田村彰英などの作品を取り上げつつ、当時の新世代作家の出世作を紹介する。
また、本展では、赤瀬川原平「版画集 トマソン黙示録」を初展示。赤瀬川は1980年代初頭、町の片隅に見出せる無意味な造形物、正体不明の物件や現象を「トマソン」と名付け、それらを観測、報告する活動を展開した。会場では、その活動を収めた14点組のポートフォリオ「版画集 トマソン黙示録」から、9点を公開する。
展覧会「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」
会期:2025年4月5日(土)~6月22日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)
観覧料:一般 700円(560円)、学生 560円(440円)、中学生・高校生・65歳以上 350円(280円)
※( )は有料入場者20名以上の団体、同館の映画鑑賞券の所持者などの割引料金
※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料
※第3水曜日は65歳以上の観覧無料
■出品予定作家
下岡蓮杖、フェリーチェ・ベアト、アウグスト・ザンダー、ジャック・アンリ・ラルティーグ、オノデラユキ、山元彩香、石内都、塩崎由美子、片山真理、大塚千野、ドロシア・ラング、アルフレッド・スティーグリッツ、林忠彦、江成常夫、菱田雄介、植田正治、杉本博司、山上新平、赤瀬川原平、田村彰英、長野重一、潮田登久子、鬼海弘雄、瀬戸正人、大西みつぐ、山崎博、荒木経惟、中野正貴、佐内正史、澤田知子、長島有里枝、野口里佳、杉浦邦恵、古橋悌二 ほか
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099