東京都写真美術館では、展覧会「TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」を、2023年4月7日(金)から7月9日(日)まで開催する。
「TOPコレクション」展は、東京都写真美術館の収蔵作品を多様な視点から紹介する展覧会だ。今回は、「セレンディピティ」をテーマに、ありふれた日常の何気ない一瞬を捉えた作品を紹介。写真作家に訪れたささやかな心の機微に光をあてる。
セレンディピティとは、「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」を意味する。たとえば、偶然目にしたポストカードの写真に心を動かされたり、撮りためていた写真のうち、とある2枚が、撮影した場所や時間を超えて響きあうさまを見出したり──こうした経験は、セレンディピティから生まれるものだといえる。
本展で着目するのは、「日常」を捉えた写真だ。日常とは、たしかにありふれた世界ではあるものの、セレンディピティの体験を通して、人びとに豊かな発見を開く場でもある。会場では、写真によって、日常のささやかな発見を捉えた作品を紹介。牛腸茂雄や潮田登久子などの収蔵作品に加えて、吉野英理香が飼っているインコのジョビンをインスタントカメラ「チェキ」で撮影したシリーズを、作家から借用して展示する。
また、写真という表現媒体は作家の意図を超えた偶発性を持ち、人びとは同じ作品を目にする際にも、それぞれに異なるものを受け取ることになる。本展では、「ただ、目の前にあるものを写しとる」という行為によって得られた写真のイメージが、それを鑑賞する人に引き起こすセレンディピティにも着目し、鈴木のぞみや相川勝などの作品を紹介する。
そのほか、会場では、代表作や初出品作品など国内外のコレクションを幅広く展示。東京都写真美術館が所蔵する奈良美智のディプティック《NY Drawing (left); Yogyakarta Cat (right)》を初公開し、作家所蔵の同シリーズ作品をあわせて展示するほか、連続動作の撮影を成功させた19世紀末のエドワード・マイブリッジや没後40年を迎える牛腸茂雄の作品、現代作家の最新作などを目にすることができる。
展覧会「TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」
会期:2023年4月7日(金)〜7月9日(日)
会場:東京都写真美術館 3F 展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月1日(月)は開館)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中学生・高校生・65歳以上 350円
※小学生以下、都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料
※オンラインによる日時指定予約を推奨
■出品予定作家
相川勝、石川直樹、井上佐由紀、今井智己、潮田登久子、葛西秀樹、北井一夫、牛腸茂雄、齋藤陽道、佐内正史、島尾伸三、鈴木のぞみ、中平卓馬、奈良美智、畠山直哉、浜田涼、本城直季、ホンマタカシ、山崎博、吉野英理香、エリオット・アーウィット、エドワード・マイブリッジ
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099