展覧会「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」が、東京・六本木の森美術館にて、2022年12月1日(木)から2023年3月26日(日)まで開催される。
「六本木クロッシング」は、日本の現代アートシーンを総覧する展覧会として、森美術館が3年に1度、共同キュレーションで開催してきたシリーズ展だ。第7回目となる今回は、2020年以降に人びとの生活が大きく変化するなか、日本社会で顕在化したさまざまな事象に着目。石内都、青木野枝、AKI INOMATA、潘逸舟(ハン・イシュ)など、1940〜90年代生まれのアーティスト22組を紹介する。
近年、人びとはあらためて身近な事象や生活環境に意識を向けるようになった。それは、2011年の東日本大震災後の日本において、自然や環境についての関心が高まったことの延長線上にあると捉えることができる。本展では、ビーバーにかじられた木材を基に制作されたAKI INOMATAの立体作品シリーズ、自然現象に着想した青木野枝の大型立体作品、そして福島県の放射能汚染による立入制限区域で撮影された写真を含む竹内公太のインスタレーションなどを展示し、新たな視点から身近な事象や生活環境について考える。
人びとの生活に生じる変化は、個々人の属性や家庭環境、社会状況などによってさまざまであり、多様な「隣人」がいることにあらためて気付かせるものである。本展では、変わりゆく世界を見つめつつ、さまざまな隣人を描くO JUNの絵画や、トランスジェンダーを主題とするキュンチョメの映像作品などを紹介。近年盛んに用いられる「ダイバーシティ」や「LGBTQ+」といった言葉の影に隠される差異にも光をあてつつ、さまざまな人びとがともに暮らす今日の社会の姿を探ってゆく。
日本国外との人流が途絶えた状況においては、日本には多様な民族の人びとが共生しているという事実がいっそう顕在化することになった。本展では、アイヌの人びとを主題とする池田宏の映像インスタレーション、住み慣れた場所を離れる最後の時間を撮影した石内都の写真作品、そして海路による人びとの往来を主題に、テキスタイルを用いて物語を紡ぎだす呉夏枝や潘逸舟の作品などを通して、日本のなかの多文化性についてあらためて考察する。
展覧会「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」
会期:2022年12月1日(木)~2023年3月26日(日) 会期中無休
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
開館時間:10:00~22:00
※火曜日は17:00まで、ただし1月3日(火)、3月21日(火・祝)は22:00まで
※最終入館はいずれも閉館30前まで
入館料:
・平日=一般 1,800円(1,600円)、高校・大学生 1,200円(1,100円)、4歳~中学生 600円(500円)、シニア 1,500円(1,300円)
・土日休日=一般 2,000円(1,800円)、高校・大学生 1,300円(1,200円)、4歳~中学生 700円(600円)、シニア 1,700円(1,500円)
※シニアは65歳以上
※2023年1月3日(火)は休日料金
※事前予約制(日時指定券)を導入(専用オンラインサイトより日時指定券を購入)
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館可
■出品アーティスト
AKI INOMATA、青木千絵、青木野枝、潘逸舟(ハン・イシュ)、市原えつこ、伊波リンダ、池田宏、猪瀬直哉、石垣克子、石内都、金川晋吾、キュンチョメ、松田修、呉夏枝(オ・ハヂ)、O JUN、折元立身、進藤冬華、SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD、竹内公太、玉山拓郎、やんツー、横山奈美
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)