展覧会「藤本壮介の建築:原初・未来・森」が、東京・六本木の森美術館にて、2025年7月2日(水)から11月9日(日)まで開催される。
現代の日本でもっとも注目を集めている建築家のひとり、藤本壮介(ふじもと そうすけ)は、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でさまざまなプロジェクトに携わってきた。展覧会「藤本壮介の建築:原初・未来・森」は、藤本の初大規模個展となる。
1971年北海道に生まれた藤本は、2000年の《青森県立美術館設計競技案》で注目を集めることになった。その後、「書物の森」というコンセプトのもと、渦巻き状に書架が並ぶ《武蔵野美術大学美術館・図書館》、白色のスチール・パイプを格子状に組み合わせたパビリオン《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》、樹木から葉が広がるようにバルコニーを配置した集合住宅《ラルブル・ブラン(白い樹)》、公園の緑に溶けこみ、自然と建築物の境界が曖昧化する音楽複合施設《ハンガリー音楽の家》などを手がけてきた。
藤本の活動におけるキーワードが、「森」だ。北海道の自然豊かな町で育った藤本にとって、この地の雑木林は原風景であるという。また、東京のような都市に見られる、入り組んだ路地や雑多なものの併存にも、藤本は「乱雑さの中にゆるやかな秩序がある」と、森の要素を見出している。ヒューマンスケールであり、複層的であり、そして原初的な存在でもある「森」は、藤本の活動初期から現在にいたるまで、さまざまな建築で具現化されてきた。
本展では、活動初期から現在のプロジェクトまで、藤本の活動を網羅的に紹介。模型や設計図面、竣工写真を展示するばかりでなく、藤本が四半世紀にわたって手がけてきたプロジェクトを紹介する大型インスタレーション《模型の森》も展開する。同インスタレーションでは、巨大空間を舞台に、模型や素材、発想の断片を示すオブジェなどを年代順に配置し、ひとつの「森」として表現する。
また、仙台に2031年度に竣工・開館する予定となっている複合施設《国際センター駅北地区複合施設(仮称)》の大型模型も。音楽ホールと震災メモリアルを擁する同施設は、「バラバラであると同時に1つである/多様なものが響き合う/求心性と拡散性」という、藤本の「オープン・サークル」の理念を具現化するものだという。会場では、設計や提案に至るプロセスを示す資料も公開し、プロジェクトの全貌に光をあてる。
展覧会「藤本壮介の建築:原初・未来・森」
会期:2025年7月2日(水)~11月9日(日) 会期中無休
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
開館時間:10:00~22:00
※火曜日は17:00まで(9月23日(火)は22:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
■観覧料
・平日=一般 2,300円(2,100円)、高校・大学生 1,400円(1,300円)、中学生以下 無料、65歳以上 2,000円(1,800円)
・土日休日=一般 2,500円(2,300円)、高校・大学生 1,500円(1,400円)、中学生以下 無料、65歳以上 2,200円(2,000円)
※( )内は、専用オンラインサイトでの購入料金
※事前予約制(日時指定券)を導入。専用オンラインサイトより日時指定券を購入のこと
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館可
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)