展覧会「北川原温 時間と空間の星座」が、山梨の中村キース・ヘリング美術館ほかにて、2025年6月7日(土)から2026年5月17日(日)まで開催される。
1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリングの作品を紹介している、中村キース・ヘリング美術館。その建築の設計を手がけたのが、建築家の北川原温(きたがわら あつし)だ。1986年、渋谷の映画館「ライズ」で国際的な地位を獲得した北川原は、その後も独創的な建築を手がけ、ポストモダンの建築家のひとりとして知られてきた。
北川原はデビュー以来、自身の創作について固定化された方法論を語らず、それぞれの建築にもたらされる物語性を重視してきた。展覧会「北川原温 時間と空間の星座」は、美術館では初となる北川原の個展。模型やドローイングなどの資料を通して、北川原が建築を手がける方法論や生成の過程を紹介する。
本展では、北川原にまつわる資料を一堂に集め、インスタレーションとして展開。これまで未公開であった、幼少期に集めた蝶の標本、長年にわたって描いてきたドローイング、建築模型、影響を受けた書籍などを公開する。
キーワードとなるのが「星座」だ。北川原が影響を受けたというフランス象徴派の詩人ステファヌ・マラルメは、異なる大きさや書体の詩句を、ページの上に星座のごとく散りばめた『骰子一擲(とうしいってき)』という詩篇を残している。会場ではマラルメの詩のように、北川原の創作のソースを「星」、建築を「星座」に見立てつつ、さまざまな資料を空間に漂うインスタレーションとして展示する。
2007年に開館した中村キース・ヘリング美術館の建築は、3年の歳月をかけて、大きく姿を変えつつ生みだされた。本展では、北川原が構想を練るなかで描いた未公開のドローイング、着想を書き溜めたノートの手稿、そして習作を、時間軸に沿って紹介。美術館が生まれるまでの過程をたどってゆく。
中村キース・ヘリング美術館が所在する山梨県北杜市には、北川原の作品が6つ集中している。本展では、美術館に加えて、2つの北川原建築を会場に展示を展開。隣接するホテルキーフォレスト北杜では、模型や資料、写真家と北川原建築のコラボレーション作品などを展示する一方、JR小淵沢駅では、北杜市に点在する北川原建築を紹介する展示を行う。
展覧会「北川原温 時間と空間の星座」
会期:2025年6月7日(土)〜2026年5月17日(日)
■会場
・中村キース・ヘリング美術館
住所:山梨県北杜市小淵沢町10249-7
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
観覧料:大人 1,500円、学生(16歳以上) 800円、15歳以下 無料
※障がい者手帳の所持者は600円
・ホテルキーフォレスト北杜
住所:山梨県北杜市小淵沢町10248-1
開場時間:11:00〜17:00
※一般観覧者は1Fロビーのみ
・JR小淵沢駅 2階交流スペース
住所:山梨県北杜市小淵沢町1024
■同時開催
展覧会「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」
会期:2025年6月7日(土)〜2026年5月17日(日)