特別展「ノー・バウンダリーズ」が、大阪の国立国際美術館にて、2025年2月22日(土)から6月1日(日)まで開催される。
人々の社会には、さまざまな境界が存在している。それは、国境といった物理的なものから、心理的、社会的、文化的なものまで多岐にわたっており、人々の行動や考え方をかたち作るものである。こうしたなかでアーティストは、作品や表現活動を通して、社会の境界にとらわれない場を作りだしている。
特別展「ノー・バウンダリーズ」は、「境界」をテーマに、美術作品を紹介する展覧会。クリスチャン・ボルタンスキーやヴォルフガング・ティルマンス、森村泰昌、山城知佳子など、国立国際美術館が所蔵する約20名の現代美術家による作品を通して、現代社会における境界を再考してゆく。
たとえば、シンガポール出身でベルリン在住のミン・ウォンは、映画や演劇に着目しつつ、文化的な翻訳や引用、アイデンティティをテーマとした作品で知られている。本展では、ヴェネチア・ビエンナーレで高く評価された映像《ライフ・オブ・イミテーション》を公開。同作は、発表当時に人種、映画、ジェンダーの問題が顕在化したハリウッド映画『イミテーション・オブ・ライフ』に触発された作品であり、人種やジェンダーの問題に目を向けている。
また、ニューヨーク在住の田島美加は、ジャンル横断的な制作を展開。会場では、さまざまな場所や条件下で録音した音源をデジタルデータに変換し、こうして得た図像データからジャカードを織りなす「ネガティブ・エントロピー(Negative Entropy)」シリーズや、有機的な形態のガラス作品などを展示する。
そのほか、本展では、2020年に国立国際美術館で個展を開催したヤン・ヴォーの《無題》や、写真家ヴォルフガング・ティルマンスの《アストロ・クラスト、a》、バンコク出身・在住のアリン・ルンジャーンによる映像《246247596248914102516... そして誰もいなくなった》などを目にすることができる。
特別展「ノー・バウンダリーズ」
会期:2025年2月22日(土)〜6月1日(日)
会場:国立国際美術館 地下3階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00閉館)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(2月24日(月・振)、5月5日(月・祝)は開館)、2月25日(火)、5月7日(水)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生 700円(600円)
※( )内は20名以上の団体および夜間割引料金(夜間割引の対象時間は、金・土曜日の17:00〜20:00)
※高校生以下・18歳未満、心身障がい者および付添者1名は無料(いずれも要証明)
※本料金で、同時期開催のコレクション展「コレクション2 Undo, Redo わたしは解く、やり直す」(会期:2025年2月15日(土)〜6月1日(日))も観覧可
■出品予定作家
クリスチャン・ボルタンスキー、フェリックス・ゴンザレス=トレス、廣直高、鎌田友介、マイク・ケリー、キム・ボム、松井智惠、三島喜美代、ミヤギフトシ、森村泰昌、アリン・ルンジャーン、カリン・ザンダー、シンディ・シャーマン、田島美加、田中功起、ヴォルフガング・ティルマンス、ヤン・ヴォー、エヴェリン・タオチェン・ワン、ミン・ウォン、山城知佳子、やなぎみわ
【問い合わせ先】
国立国際美術館(代表)
TEL:06-6447-4680