ダウン×ダウンのコーディネートも繰り返され、ダウン素材で作ったフレアスカートなども展開された。またがま口のウエストバッグやモンクレールロゴを大胆に配したバックパックなども揃い、トータルコーディネートが楽しめるラインとなっている。
「モンクレール パーム・エンジェルス」は、“I'm SO HIGH.”“MAKE IT RAIN.”と2つのスローガンをポップに起用。バックスタイルに、レッグラインに大胆にのせたダウンベストやスウェットパンツなどがラインナップしている。
また、パックTシャツ、ゴーグル風のベルト、フラットサンダルなどギフトにもぴったりなアイテムも登場。「ギフトショップ」が一つのキーワードとなり、唯一シルバーテントではなく赤いネオンで彩られたスーベニアショップ風の空間で新作をお披露目していた。
登山家、スキープレイヤーを支えるブランドとして誕生したモンクレールが、なぜファッションの世界で力を発揮し続けるのか。モンクレール会長兼CEOのレモ・ルッフィーニにインタビューすることが出来た。
Q.なぜ「モンクレール ジーニアス」をスタートさせたのでしょうか。
初めにお伝えさせていただきますと、「モンクレール ジーニアス」はリブランディング戦略ではありません。ブランドの進化です。新たなクリエイティブの方向性を探っていく中で自然に生まれたもの。新たな歴史を刻む第一章となると信じています。
Q.「モンクレール ジーニアス」の特徴は何でしょうか。
モットーは「1つのメゾン、異なるボイス」です。多様性こそがモンクレールの持つ真のユニークさを具現化してくれると考え、「モンクレール ジーニアス」には8つのラインを持たせました。モンクレールというブランドの名のもと、8人クリエイターを招き8つのコレクションを作り上げていきます。
「モンクレール ジーニアス」を司るクリエイターはこの8人。日本からはノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の二宮啓さん、フラグメント(fragment)の藤原ヒロシさん。そして、ヴァレンティノ(VALENTINO)のピエールパオロ・ピッチョーリ、シモーネ ロシャ(SIMONE ROCHA)のシモーネ・ロシャ、パーム・エンジェルス(Palm Angels)のフランチェスコ・ラガッツィに参加してもらい、過去にモンクレール Cというカプセルコレクションを担当したクレイグ・グリーン、サンドロ・マンドリーノともタッグを組みます。そして、キュレーターとしてカール・テンプラーにも参加してもらいます。
1.モンクレール ピエールパオロ・ピッチョーリ(Moncler Pierpaolo Piccioli )
キーワード:ピュアで本質的なもの
2 .モンクレール 1952 - キュレーティッド バイ カール・テンプラー( Moncler 1952 - curated by Karl Templer)
キーワード:ポップなトレードマーク
3 .モンクレール グルノーブル(Moncler Grenoble)※デザイナーはサンドロ・マンドリーノ
キーワード:プレイフルな才覚
4 .モンクレール シモーネ・ロシャ(Moncler Simone Rocha)
キーワード:リアルなフェミニティ
5.モンクレール クレイグ・グリーン(Moncler Craig Green)
キーワード:日常的な着こなし
6 .モンクレール ノワール - 二宮 啓(Moncler Noir - Kei Ninomiya)
キーワード:ウェアラブルな構造
7 .モンクレール フラグメント - 藤原ヒロシ(Moncler Fragment -Hiroshi Fujiwara)
キーワード:サブカルチャーの鋭敏
8 .モンクレール パーム・エンジェルス - フランチェスコ・ラガッツィ(Moncler Palm Angels -Francesco Ragazzi)
キーワード:ウィルス的な伝搬
Q.8つのライン、それぞれ異なるデザイナーが担当する意図は何ですか。
多様性です。ブランドの大きなチャレンジの象徴となる「モンクレール ジーニアス」は、カスタマーの特異性や彼らのテイストを理解し、多様性を資源とします。8名のデザイナーは、モンクレールが持つユニークなビジョンを形作ることのできる才能を持っているという基準で選びました。
Q.過去には、sacai(サカイ)の阿部千登勢さん、ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)の相澤陽介さんともアイテムを展開していらっしゃいましたね。今回2名の日本人が選ばれていますが、モンクレールにとって日本はどういった存在なのでしょうか。
日本は、モンクレールにとって常にキーとなる重要なマーケットです。日本の皆さまは革新、デザイン、クリエイティビティ、テクノロジーなど、ブランドの価値を非常に理解していただいていると実感しています。
Q.モンクレールの価値、強みを一言でいうと何でしょうか?
プロダクトそのものです。ダウンジャケットというアイテムのコンセプトを様々な解釈から提案している。ユニークなヒストリーを持ちつつ、最高の品質、パフォーマンスとスタイルのパーフェクトなバランスなども持ち合わせ、他に縛られない手法で新作を発表し続けている。これこそが、モンクレールを真にユニークなブランドにしている理由だと思います。
Q.「モンクレール ジーニアス」はどういった形で新作を発表していく予定ですか。
8つのコレクションから、毎月1つのエディトリアルプロジェクトが登場します。また、直営・卸計画を基準に、毎月1つずつ新しいコレクションを展開予定です。