オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)の2019年春夏コレクションが、2018年6月20日(水)にフランス・パリで発表された。
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のメンズコレクション アーティスティック・ディレクターとの兼任が決まってから初のシーズンである今季は、彼にとっても大事なシーズンとなったはずだ。もちろん世界からの注目度も高かった。
彼が打ち出したのは、彼が最も得意とし、ブランドスタートから変わらず提案してきた純粋なストリート。テーマには、1980年代90年代のアメリカのユースカルチャーを掲げた。そして事前にインスタグラムで告知していたように、1988年に37歳で他界したグラフィティアーティスト、ドンディ・ホワイト(DONDI WHITE)へのオマージュの意味を込めている。
今季の主役に躍り出たのはデニムスタイルだ。その中で、今季のテーマに忠実なストリートペイントのようなグラフィック、そしてスパンコールなどの装飾を加えて個性を出していく。裾をカットオフしたデニムのセットアップから始まり、ほとんどのルックをデニムパンツで構成している。そのうち、デニムパンツにはどこか“崩れた”ディテールがあって、お尻のポケットは斜めに施されているし、ダブルステッチの走り方も斜線であったり、ランダムだったりする。
デニムの生地自体も種類が豊富で、濃淡はもちろんオンスの違いによってタフなものからソフトなものまで様々だ。ブルーのレザーは、デニムの中ではラグジュアリーな存在だが、それでも絶妙な色褪せ加減でストリートの潮流を崩さず、むしろ盛り上げている。
また、今季はオフ-ホワイトのアイコニックなモチーフをあらゆるところに散りばめた。おそらく、彼にとっての原点回帰のような意図もあるのではないだろうか。
今シーズンは小物も多彩。特に目立ったのはリモワ(RIMOWA)のコラボレーションによるスーツケース。また、ナイキ(NIKE)とのコラボレーションシューズも引き続き登場するようだ。私たちにサプライズを届けながら創作に挑む、ヴァージルの今後に期待したい。