トム ブラウン(THOM BROWNE)の2019年春夏メンズコレクションが、2018年6月23日(土)にフランス・パリで発表された。
芝生広場に、色とりどりの"かざぐるま"と"ふうせん"。カラフルな庭はハッピーなムード満点で、子供たちの遊び場にはぴったりだ。ショーが始まると、この庭を整備するために3人の男が現れる。2人は芝刈り機を操作していて、もうひとりは沢山の花を運んでいる。そして、このハッピーな庭で遊ぼうと、プレイフルなワードローブを身に着けて彼らは現れた。
空に浮かぶ雲みたいにランダムに配されたクジラ柄のジャケットは、ピンク色のギンガムチェックパンツとともに。イエローのスポーティーなフード付きコートは、チルデンニットとエビ柄パンツとともに。そして碇柄のマリンなジャケットには、赤いストライプのハーフパンツをともにあわせた。出てくる色も柄も、とにかく全部がポップ。トム・ブラウンならではの美しいテーラリングによる、ボックスシルエットのジャケットやコートとのギャップがまた面白い。
テキスタイルは、前述したようなクジラ、カニ、エビなどの海の生き物、碇柄、そしてヨット柄など海に纏わるモチーフを散りばめている。また、ベースの素材は軽やかでありながら、ある時はラグジュアリーなファー、またある時はコーデュロイみたいなカジュアルなファブリックを織り交ぜた。それらを、パステルカラーやプリミティブカラーで楽しくカラフルに仕上げている。
小物も同じくプレイフルなムード満点。愛犬モチーフのバッグとともに、今季のキャラクターとしてクジラが採用された。また、スーツケースやボストンバッグはパステルカラーをパネル替えでカラフルに彩り、マリンモチーフをふんだんに散りばめている。
遊び終えた彼らは、いったん家に戻るとショーの最後に同じ柄のアウターを身に着けた者同士、2列で行進して再登場する。並べてみるとあらためて気づかされた、多彩な色と柄のバリエーション。今回はきっと、ダイバーシティ的なことを匂わせたのだろう。多様性のあることがこんなにハッピーだと、気付かせてくれるようなショーだった。