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2012年1月に開催されたパリ・メンズコレクション。中でも注目を集めたのが、「ワーク」をテーマに、働く男たちへのモードをスタイリッシュに提案してみせた「クリスヴァンアッシュ(KRISVANASSCHE)」だ。
現代の、メンズモードの世界をリードする若手デザイナーのひとりであるクリス ヴァン アッシュは、2005年にスタートした自身のブランドで、 彼自身が着たい服、をコンセプトに、今の雰囲気を洗練されたモードに落とし込んだコレクションを発表してきた。ヨーロッパだけでなく、日本をはじめアジアにも広がる根強い人気の秘密はディテールまで美しいデザインと、こだわりの男性たちを魅了し続ける機能性と着心地。彼の服は、モードをさりげなく日常に取り入れる手助けをしてくれる。
Photography by Gaëtan Bernard
エディ・スリマンの後任として、若干31歳で「ディオール オム(Dior Homme)」のアーティスティック・ディレクターに就任したクリスは、アントワープ6を生んだアントワープ王立美術アカデミーで学んだ後、「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」と「ディオール オム」という2大メゾンでその才能を磨き上げた。
今季、メインラインの他に、3シーズン目となる「イーストパック(EASTPAK)」とのコラボラインに加え、初の「リー(LEE)」とのコラボコレクションも発表。さらにバリエーション豊かに展開される彼のクリエイションの魅力を、この3つのコレクションから探ってみたい。
2012-13年秋冬コレクションテーマは「WORK」。ブルーカラーの作業着からホワイトカラーのスーツまで、様々な職業の男性たちの仕事着をモードに取り入れた。キーカラーは作業着からインスパイアされた、その名も「ワーカーブルー(worker blue)」。秋冬ならではの深みのある発色は、独特の存在感をもちながら、華やかすぎず、デイリーにも取り入れやすい。
ボイラー技士がはくようなパンツのシルエットをスーツに、アスファルトをイメージしたグレイのチェック、そしてボルトやナットをモチーフにしたグラフィックプリントのエレガントなシャツやスカーフなど、異なる職業のスタイルをミックスさせたデザインが並ぶ。着物は日本の"労働着"として解釈され、クラシックなテーラードスーツは、帯をイメージしたストラップが取り付けられた。
中でもおすすめは、タイループがついた、タイピンなしでスマートなネクタイ姿を披露できる「タイループシャツ(Tie Loop Shirt)」。機能性がスタイリッシュなデザインに昇華されているのが、クリスヴァンアッシュらしい。
カジュアルにもフォーマルスタイルの崩しにも使えるデザインと、履き心地のよさで人気のシューズも、今季はセーフティーシューズ(安全靴)をイメージ。プロテクションのようなトゥキャップのデザインや、ごついソールでタフなムードを演出している。リンダ ファローとコラボしたアイウェアも、工場作業用のゴーグルをイメージ。