ミントデザインズ(mintdesigns)の2019年春夏コレクションが、2018年10月17日(水)に発表された。
シーズンテーマは「Natural History Project」。今季のクリエーションは、デザイナーの勝井北斗が博物館を訪れた時に感じた、モダンで都会的なムードにインスピレーションを得ている。動物や植物、昆虫たちにまつわる様々な展示。それらは自然のものであるはずなのに、どこか人工的で近未来的な要素さえ感じさせた。自然史学、博物学といった意味を持つ言葉をタイトルに掲げ、その時に感じ取った現代的な博物館の様子を表現していくプロジェクトが始まった。
洋服作りは、「動物」「植物」「昆虫」の3つのカテゴリーに分類して進められた。動物に属するのは、たっぷりと生地を使ったレオパード柄のワンピースやロングスカートなど。
幻想的な植物モチーフが配されたエアリーな羽織りや、写実的な葉が描かれたモノトーンのスカートは、「植物」にカテゴライズされる。「昆虫」に分類されるのは蝶やクワガタの刺繍を施したスカートなど。ネットのような素材を採用することで、虫取り網に捕らえられた昆虫の様子を、ユーモラスに表現している。
こういった博物館の要素を落とし込んだピースに、現代性や都会性を加えるために多用されたのは、重ねるというアプローチ。蝶が舞うトップスに、ポリエステルを溶かして光沢感を与えた人工的なトップスをレイヤードしたり、アニマル柄のワンピースに、近未来的な箔プリントを施したシアーワンピースを重ねたり。有機的なピースに、人工的、未来的な要素を組み合わせることで、モダンなムードを演出している。
ファッションショーにも、博物館を感じる仕掛けが施されていて、ランウェイに設置されたキューブ型のインスタレーションもそのうちの1つ。モデルたちは大きな物体の周囲を練り歩くように進み、その箱の中に吸い込まれるようにして入ったかと思うと、ぴったりと静止する。その様はまるで、フレームに収められた標本のようだった。