ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)の2019年春夏コレクションが、東京・渋谷で2018年10月19日(金)に発表された。シーズンキーワードは、躍動感を意味するVIBRANT。
会場に無秩序に並んでいる、レッドやグリーン、イエローなど様々なアクセントカラーで彩られたオブジェ。VIBRANTというキーワードもあり、さぞカラフルなピースが並ぶと思いきや、始まりは静かなものだった。
ファーストルックは、VIBRANTのロゴを大胆に配したハーフスリーブトップスと装飾性のないベージュのショートパンツ。無機質さすら感じさせるプレーンなスタイルであるが、これは今季を象徴するルックでもある。
特徴的なのは異素材のレイヤードである。コットン地のTシャツの上にのるのは、やや大きめだが同じシルエットのハーフスリーブトップス。男性の衣服では珍しさすら感じさせる、透明感のあるオーガンザとコットンのコンビネーションは新鮮に映り、また同じアイテムのレイヤードという着こなしも斬新にみえた。
異素材のミックスとレイヤード。この2つの軸は、コレクションの柱となり、アプローチを変えて繰り返し登場する。半袖シャツの上にのせたオーガンザのトップス、ショート丈のチノパンツにのせたオーガンザのパンツ。差し込まれるメッシュやナイロンなどの機能素材。どれもクリーンな印象は保っているのに、どこかアンバランスで愛おしく見える。
異素材のミックスといえば、一つのピースの中で、2つの要素が融合されたものもあった。麻のスタンドカラーブルゾンは後ろを振り返ると、一部分がデニムジャケットに。テクニカル素材で仕上げたフーディコートは、背中だけがストライプ柄のキルティングジャケットだ。ブラウン色のレザーライダースにいたっては、左胸だけがデニムジャケットに変わっている。
また、スポーツテイストと出会うことでよりり深みのあるハイブリッドアイテムも生まれている。ドローコード付きのナイロンを組み合せた白ソックス、柄物のレギンスが付属するゴム付きショートパンツ。交わることのない要素たちがコンバインした様は、茶目っ気と同時にデザイナーのいたずら心を象徴しているようにも見えてくる。
さらに、コレクションに活気をもたらすのは、部分的な差し色。ジャケットの襟元だけ、スニーカーのソールだけ…意外性のある部分だけにアクセントカラーが差されている。ミスター・ジェントルマン×サキアスのコラボレーションローファーの新色ヒールパッチは、その代表格といえるだろう。