2008年にH&M(エイチ&エム)が日本上陸すると、ファストファッションが勢いを増す。この時期、ギャル文化からは一転、女性たちは、異性を意識した“モテファッション”に着目し、フリルやレースを使ったロマンティックなスタイルを好むようになった。
★ヘアメイクポイント★
・つけまつ毛
・リップグロス
・エクステ&ヘアアイロンによる盛り髪
モテファッションと連動して、ヘアメイクも女性らしさを強調させたスタイルが流行。目元は、囲み目ラインに加えて、マスカラの重ね付けやつけまつ毛でより目を大きく見せる傾向に。アイシャドウはブラウン、リップはピンクベージュの一辺倒でフェミニンに仕上げつつも、口元には、“ツヤツヤ”のリップグロスを重ねて「盛る」。ヘアも同様に「盛る」要素が取り入れられ、エクステ、ヘアアイロンでの巻き髪などボリュームのあるシルエットが人気を集めた。
モテメイクを意識した女性たちの味方になったのが、平成17年に誕生したマキアージュ(MAQuillAGE)。ワンランク上のトータルメイクブランドとして登場し、目元・口元といったパーツメイクに加えてベースメイクを展開。“モテメイク”を楽しめるツールとして人気を集めた。
若年層から派生したカワイイ(KAWAII)文化・ファッションが海外からも注目されるようになったこの時期。女性たちは、新しいファッションの形として、少し肩の力が抜けた「ゆるふわ」系を一つのムーブメントとして発信するようになる。
★ヘアメイクポイント★
・涙袋メイク
・頬の高い位置にのせて血色チーク
・エアリーヘア
下まぶたにハイライトを効かせた「涙袋メイク」と頬の高い位置に頬紅を入れた「湯上り風チーク」を取り入れ、女性たちは“癒し系”を目指しすようになる。メイクにあわせてヘアも、柔らかさが求められ、毛先を内巻きにして空気を含ませたエアリーなスタイルに注目が集まった。
チーク人気が高まるなか話題を集めたのが、マキアージュの「トゥルーチーク」。ダイヤルをひねるように本体を回転させると、その回転数に合わせて発色をコントロール。テクニックいらずで“自分好みの血色感”をゲットできると若い女性を中心に人気を集めた。また、高級馬毛 100%大型ブラシ付きという、持ち運びに便利な点も人気のポイントに。
YOUTUBE、Twitter、InstagramなどSNS、動画投稿サイトの流行とスマートフォンの普及により、自撮り写真を発信する人が急増。”インスタ映え”などの言葉も流行し、他人にどう見られるかを意識する若者が増えてきた。
★ヘアメイクポイント★
・ナチュラルな太眉
・赤リップ
・ボブヘア
メイクはやや大人っぽい「レディ」「モード」がキーワードに。すると、ナチュラルで短めの太眉や赤リップなど、80年代のバブル時代を想起させるスタイルが再びカムバック。鮮やかなローズ、ビビットなピンクといった鮮やかなリップは、バブル時代以来初めての流行となった。ヘアはボブスタイルに注目が集まり、80年代は「すだれ前髪」と呼ばれていた薄く下した前髪が「シースルーバング」として再び人気の的となる。
赤リップの流行に先駆け、SHISEIDO(資生堂)から“赤”を極めた口紅「ルージュ ルージュ」が発売。自分に似合う‟完璧な赤”に出会うことをキーワードに掲げ、ニュアンス違いで全16色の赤リップを展開。一つの色をたくさんのバリエーションでみせる斬新な発想から注目を浴びた。