セリーヌ(CELINE)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年3月1日(金)に発表された。
エディ・スリマンによるセカンドシーズンは、デビューショーとは“印象の異なる”新しいセリーヌウィメンのスタイルを提案。エディがクリエーションを進めるにあたり探求したのは、セリーヌの歴史だった。
一つは、1972年に生まれたセリーヌのシンボル「トリオンフ(TRIOMPHE)」。非対称のCが並んだような特徴的なマークは、凱旋門を囲むチェーンをモチーフにしたもの。今季は“セリーヌ印”と言わんばかりに、洋服、バッグ、小物、さらに革小物にまでこの「トリオンフ」を取り入れた。
もう一つは、さらに歴史を遡り、子供の靴店として誕生したセリーヌの創業時からピックアップ。ブルジョワのキッズたちが好んで履いたというセリーヌのシューズのディテール「モルス(MORS)」を現代に蘇らせる。これまで様々なデザイナーが、セリーヌの歴史を繋いできたが、この馬具をインスピレーションにした「モルス」を復活させたのは、エディが初めてだという。
セリーヌの歴史をヒントに作られたのは、ブランドに伝わるアイデンティティを保持しながらも、現代の女性たちが着やすいウェアラブルなピースだ。シャツやデニム、メンズライクなジャケットなど、デイリーに取り入れやすいデザインが揃っている。
スタイルは大きく分けて3種類。いずれも、過去のセリーヌの広告ビジュアルなどのスタイルを参考に生まれたものだ。
70年代後半のパリジェンヌたちが好んだ、テーラードのジャケットとプリーツスカートのコンビ。フェミニンさを加えたシックなルックは、当時の趣は持ちながらも、ティアドロップのアイウェアを合わせるなど、ウィットに富んだアイデアで咀嚼され、モダンなデザインに進化している。
「カレッジガール・スタイル」と称されたスクールガールイメージのルックは、より日常的に着こなしやすいデニムパンツ、スタジャン、レザーのジャケットなど。どれも膝上のニーハイブーツを合わせて、クールに着こなすのが新生セリーヌ流だ。
フィナーレにかけて登場したのは、イブニング、カクテルドレスなどのピース。デビューコレクションでも見られた、アトリエの職人たちの繊細な技術が生かされたドラマティックなドレスが揃う。中には、 1,200時間9人の職人によって作られたクチュールピースも登場している。