日本ブランド「シクラス(CYCLAS)」が、パリコレクション公式スケジュールにて、2019年3月5日(火)に2019年秋冬コレクションを発表した。
シクラスは、2016年シーズンよりスタートしたクリエイティブディレクター小野瀬慶子による日本のファッションブランド。これまでパリコレクション期間中に、プレゼンテーション、ミニショー形式なので新作を発表していたが、今季は公式スケジュールにてランウェイショーを開催した。会場はパレ・ド・トーキョー。
知的で大胆、フェミニンでありながらも男性的な要素を持つ。相反するキーワードを並べ現代女性の姿を描いてきた、小野瀬慶子。パリショーでもこれまで同様に、素材・シルエット・カラーリングなどにこだわりを効かせ、相反する要素を共存させたモダンな女性像を描き出す。
一見シンプルなウールのロングコート。大人の女性に相応しいエレガントなアウターであるが、ここに異素材をミックスすることで遊びを加える。ウエストのベルトは、毛足の長いファーやハードなレザーで仕上げることで、枠にとらわれないアグレッシブな姿を表現する。
また、コーディネートでも素材のコントラストを強調させたものが多かった。ニットトップにテクニカル素材のアウター、シルクのブラウスに起毛のVネックトップなど。ファブリックのテクスチャー、光沢などで対峙させるだけでなく、ベーシックカラーに、サフランイエローやバイオレット、ライトグリーンなどの鮮やかカラーを投じて、面白みを加えているものもあった。
アイテムは、男性的なピースはフェミニンに、女性的なピースはマニッシュに仕立てているものも見られる。トラウザー&白シャツという紳士定番のスタイルも、白シャツをロング丈にしスリットを入れてチュニック風にアップデート。ライダース風のレザージャケットも、アームラインを丸くし、淡いベージュカラーで仕上げることで甘さをプラスしている。
シルエットはロング&ボリューム。ゆったりと着られるリラクシングなサイズ感が気分だ。シューズもフラットフォームや太いヒールのパンプスで、履きやすさにこだわったものが多い。スパンコール、ファーなど、シューズでは敬遠されがちな個性的なファブリックを使っている点も興味深い。