展覧会「日本刀の華 備前刀」が、静嘉堂文庫美術館にて2019年4月13日(土)から6月2日(日)まで開催される。
「日本刀の華 備前刀」では、日本刀の主要製作地の中でもとりわけ圧倒的な生産量を誇る備前に着目。上質な原料や水運の利に恵まれ、平安時代から優れた刀工を生み出した備前は、「刀剣王国」とも称されている。
備前刀の特徴は、「腰反り」の力強い姿と、杢目を主体とした精緻な地鉄、「丁子乱れ」と呼ばれる変化に富んだ刃文。堂々とした華やかな作風は、鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきた。
会場では、静嘉堂の蔵刀を中心に、重要文化財4振、重要美術品11振を含む備前在銘作約30振を紹介。「古備前」と呼ばれる初期の刀工群から、一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼など流派によって異なる作風の展開を辿っていく。
その他、刀剣を飾る金具である、目貫・笄・小柄などの装剣金具を作る金工・後藤家歴代の刀装具にも着目。後藤家は、室町時代中期の足利義政以来、足利将軍家、戦国時代の織田信長、豊臣秀吉、江戸幕府260年の間、16代にわたって時の権力者に重用され、その作品は、武家の装う金工の中でも最高の格式をもつとされていた。
十二支の動物を彫り込んだ伝 後藤乗真の「十二支図三所物」や、愛らしい子犬を象った後藤栄乗の「二疋狗図二所物」など、繊細な技の光る洗練されたデザインに注目だ。
また、世界に3点しか現存しない貴重な国宝「曜変天目」も、そのうち1点を展示。中国・福建省で焼かれた茶碗の1種である「曜変天目」は、その希少性と美しさによって、室町将軍家の時代に喫茶用茶碗として最高の評価が与えられている。本展では外光の入る空間に展示されるため、朝から夕方にかけて、日の光によって刻々と変化していく光彩を楽しめる。
静嘉堂文庫美術館の他、滋賀のMIHO MUSEUM、奈良国立博物館でもそれぞれ同時期に、「曜変天目」の展示が行われる。
日本刀の華 備前刀
会期:2019年4月13日(土)~6月2日(日)
場所:静嘉堂文庫美術館
住所:東京都世田谷区岡本2-23-1
開館時間:10:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:毎週月曜日(ただし、4月29日・5月6日は開館)、5月7日(火)
入館料:一般 1,000円、大高生 700円、中学生以下無料 ※20名以上の団体は200円引き
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
■国宝「曜変天目」3碗 同時期公開情報
・大徳寺龍光院所蔵品:MIHO MUSEUM「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」
期間:2019年3月21日(木・祝)~5月19日(日)
住所:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
・藤田美術館所蔵品:奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展 ―曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき―」
期間:2019年4月13日(日)~6月9日(日)
住所:奈良県奈良市登大路町50番地
・静嘉堂所蔵品(稲葉天目):本展の全期間で展示
期間:2019年4月13日(土)~6月2日(日)
場所:静嘉堂文庫美術館