エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2020年春夏コレクションが、2019年9月19日(木)にイタリア・ミラノで発表された。
軽やかなテキスタイルが、春風を匂わせる序盤。シースルーの素材感が緩いシルエットとマッチして、エフォートレスな雰囲気を醸し出す。イタリアンエレガンスを語る上でも欠かせないこのムードは、今季一層強く押し出された。
薄いタフタはシアーな素材と対を成して立体感がありながらエアリー。シワ加工やプリーツによって躍動感を得たテキスタイルは、動けば動くほど魅力を増していく。ヘビ柄はラメを蓄えて輝きながら、ラグジュアリーな印象を増していて、シアー素材とも好相性をみせている。クロップドのトップスとショートパンツのセットアップには、大胆なスリット入りのペールグリーンのオーガンザワンピースを靡かせた。
ブラウスのように薄く軽いジャケットと、ウエストがゴムになったワイドパンツや、ジョガーパンツの組み合わせでスタイリングも同様リラックスしたもの。時に、足元にはハイテクソールのスニーカーをあわせて、アクティブにも装っている。アウターであってもボトムスであっても、それらテキスタイルから構成されるワードローブは、総じて堅苦しさがなく、まるでルームウェアのようにリラクシングに提案されている。
ランウェイ中盤で暗転し、後半に続くナイトタイムのワードローブ。一気にドレッシーなニュアンスへと加速していく。しかしながら、エフォートレスなムードは変わらず、ビジューやスパンコールで飾られたドレスルックは、背中がざっくり開いていたり、キャミソールオールインワンは、ランジェリーのようなシルクのテクスチャーだったり。
足元には、パーティーシーンを連想するヒールシューズでなく、フラットサンダルを合わせているのも魅力的。今季の“透ける”風合いは足元にも続いており、クリア素材に大きなビジューをあしらったポインテッドトゥのフラットミュールや、小さなクリアバッグも目を引いた。
そして終盤は、まるで星をかき集めたみたいに光輝くドレスルックが続き、エンポリオ アルマーニの幻想世界が止まらない。「EA」のロゴを入れたウエストマークをセットしたランダムヘムのドレスは、極めてシンプルだからこその抜け感があり、ナチュラルに女性らしさが表現されている。