メルシーボークー、(mercibeaucoup,)が約4年ぶりのランウェイショーを開催。2020年春夏コレクションを2019年10月17日(木)に発表した。
“人に見せることに注力をしていて、どんな人が着てくれているのかに意識を向けていなかった”、ショー開催をストップしてからの4年間を振り返ったデザイナーの宇津木えり。時代に合わせた服作りと「清く・楽しく・美しく。」というブランドコンセプトに再び向き合った宇津木えりが決めたテーマは「山」。新しいメルシーボークー、を見て欲しいという願いと、新たに挑戦していくという意思を込めたという。
情熱的なテーマ設定ではあるが、出来上がったコレクションは、メルシーボークー、らしい楽し気な仕上がり。山からインスピレーションを得たというシルエットは、八の字にキレイに広がったと思えば、くるんと丸まったり、アシンメトリーに流れたり…と山の天気のように表情をコロコロと変える。
山そのものもモチーフとして取り入れ、世界各国の山や日本の象徴・富士山を額縁に収めたモチーフなどをテキスタイルに落とし込んだ。
山で生きる草花の力を借りて作った洋服もある。ファーストルックに登場したピンクのシャツワンピースや、メンズモデルが着用したブラックの羽織風コート、ドレスの下に忍ばせたタートルネックトップスなどは、すべて草木染めで仕上げたものである。
時代に合ったものづくりが導いたのは、程よいスポーツミックススタイル。サーモンカラーのプリーツワンピースにはリブネックを合わせ、シャツワンピースにはロゴベルトやボディバッグで、ウエストマークした。さらには登山のときにも役立ちそうな切り替えのナイロンジャンパーも用意している。
ただただスポーティーを追い求めるだけでなく、テイストミックスで遊びを効かせるのがメルシーボークー、流。ボウタイブラウスやカシュクールドレス、マーメイドスカートなど、女性らしいエレガントなピースを心地よく交えている。
また、久しぶりのランウェイショーは音楽・演出も印象的。ラッパーJUAとサウンドデザイナーSHIMON HOSHINOとコラボレーションし、彼らが仕上げた5曲のサウンドとともに、ライブ感あふれるランウェイショーを完成させた。