特別展「聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」が、京都国立博物館にて開催される。期間は、2020年7月23日(木・祝)から9月13日(日)まで。
1300年の歴史を持つ日本最古の巡礼路・西国三十三所。和歌山、京都、滋賀など近畿を囲むように伸びる巡礼路は、8世紀前半、奈良・長谷寺の創設者である徳道上人が、 閻魔大王から「人びとを救うために、観音菩薩の慈悲の心を説くように」というお告げとともに、起請文と33の宝印を授かったことに始まるとされる。
特別展「聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」は、歩いて巡拝するには数ヶ月を要する西国三十三所が有する観音像をはじめ、国宝、重要文化財などが一堂に会する展覧会だ。至宝の数々から、多くの人びとの心を捉えた観音信仰や巡礼の札所寺院の魅力を紹介する。
見どころは、西国三十三所の札所寺院が本尊とする7種の観音像だ。「千手観音立像」や寺外への出陳が初となる頂法寺(六角堂)の“秘仏”「如意輪観音坐像」などの彫刻、松尾寺の重要文化財「如意輪観音像 一山一寧賛」 といった絵画を展示し、真摯な祈りを捧げた多彩な観音の姿を目にすることができる。
西国三十三所を起こしたとされる徳道上人が閻魔大王からお告げを受けたのは、仮死状態のなか、“地獄”においてであったという。会場では「餓鬼草紙」や「六道絵」といった地獄のイメージを表現した絵画を展示するとともに、本尊・千手観音像の霊験を描いた「粉河寺縁起絵巻」などを通して、各寺院の起こりや歴史をひもとく。
はじめは修行僧や修験者を中心に行われた西国三十三所巡礼は、次第に階層の広がりをみせ、地域的な広がりを持つようになった。本展では、「施福寺参詣曼荼羅」など各寺院の歴史や功徳を図説した曼荼羅や勧進状のほか、巡礼者が参詣の証として納めた札「西国三十三所巡礼札」などを展示し、人びとの巡礼の姿に迫る。
西国三十三所 草創1300年記念 特別展「聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」
会期:2020年7月23日(木・祝)~9月13日(日)
※2020年4月11日(土)~5月31日(日)を予定していたが延期となった。詳細は展覧会公式ホームページを確認。今後の状況によって、会期や展示期間の変更を行う場合がある。
※会期中、一部作品の展示替えあり
会場:京都国立博物館 平成知新館
住所:京都市東山区茶屋町527
開館時間:9:30~18:00
※入館は閉館の30分前まで
※金・土の夜間会館は中止
休館日:月曜日※ただし8月10日(月・祝)は開館
観覧料:一般 1,600円(1,400円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 700円(500円)、中学生以下 無料
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
※前売り券販売期間については公式サイトおよび展覧会公式Twitterにて告知
※障害者手帳などの提示者とその介護者1名は、観覧料が無料
【問い合わせ先】
京都国立博物館
TEL:075-525-2473(テレホンサービス)