ザ・リラクス(THE RERACS)は、2020-21年秋冬メンズコレクションを発表した。
目を引くのはオーバーなサイジング。端正さを崩すことなく大胆に肩をドロップさせ、ゆるやかに身体に沿うように仕立てたアウターが散見された。チェスターコートやピーコート、ダブルブレストのロングコートといったオーセンティックなアウターは、ゆとりのある仕立てによって柔らかな表情に。また、カジュアルなフーデッドコートやモッズコート、中綿コートなどは、ダイナミックさを増すことによって、程よい抜け感が生み出されている。
また、ブラックやネイビー、深みのあるブラウンなど、ダークカラーの存在感が強いのも特徴的。ウールギャバジンやボア、カシミヤのライトメルトンなど、多彩な素材に深みのある色彩を落とし込んでいる。
大きめのドットボタンをあしらってアクセントを効かせたAラインのフーデッドコートや、マットな光沢を備えたフェイクレザーのフーディーなど、シンプルながらも個性を放つデザインに注目だ。ブラックフェイクスエードのジャケットは、アイコニックな錨のモチーフ以外の付属をつけず、ミニマルに仕立てることで素材の表情豊かな質感を際立たせている。
アクティブなマウンテンジャケットは、70年代のアウトドアや、80年代の米軍が過酷な環境に適応するために着用していた「ECWCS」からインスパイアされたもの。ミリタリーからヒントを得たこのジャケットには、3レイヤー素材を採用し、肩の部分で切り替えることでアウトドアテイストを強めたデザインに仕上げている。裾に向かって広がる造形のキルティングライナーを中にレイヤードすることで、優雅なシルエットに。
その他、大きいポケットをフロントにあしらったアノラックや、手を入れやすい位置にポケットを配した、襟の高い中綿コートなど、機能的なディテールを備えたウェアが登場した。スポーツ、アウトドア、ミリタリーなどのテイストを踏襲しつつも、それぞれのジャンルにカテゴライズされることなく、ザ・リラクス独自のベーシックウェアに昇華させている点が印象的だ。