展覧会「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」が、東京オペラシティ アートギャラリーにて、2020年10月10日(土)から12月20日(日)まで開催される。
石元泰博は、アメリカに生まれ、バウハウスの教育理念を継承するシカゴのインスティテュート・オブ・デザイン(通称ニュー・バウハウス)に学んだ写真家だ。桂離宮や同時代の建築、シカゴや東京の人びとなどを撮影した石元の作品は、被写体の構造的・空間的特性を捉える鋭いまなざしを特徴とし、その仕事は日本の戦後美術に大きな影響を与えた。
「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」は、石元の足跡をたどる過去最大規模の回顧展の一環として開催。「伝統と近代」をテーマに、都市の建築や人びと、そして周縁に注がれる石元のまなざしを、作家活動の前半を軸に紹介する。
本展では、バウハウスの流れを汲む近代的な視点から桂離宮を撮影した初期シリーズを紹介。同作は石元の代表作であり、対象の質感や空間的構造を捉える手法は今なお輝きを放っている。また、丹下健三や白井晟一、磯崎新、そしてミース・ファン・デル・ローエなど、石元と同時代に活躍した建築家による仕事を撮影した建築写真を総括的に展示する。
さらに、シカゴの人びとや都市の変貌を撮り集めた初期作品群や、1953年の来日以降、環境問題を引き起こしつつ近代化を進める東京を、鋭い文明批評を込めて撮影した東京写真、そして日本の消費社会を批判的に捉えた1980年代の作品などからは、近代化の諸相への石元のまなざしを垣間見られそうだ。
一方で、石元はいわば日本の周縁にも目を向け、歴史や伝統をたどる仕事にも取り組んだ。本展では《御陣乗太鼓(輪島)》など、北海道や東北・北陸の暮らしや、大分・国東半島の宗教文化などを取材した作品を取り上げるとともに、京都・東寺の国宝「伝真言院曼荼羅」を接写したシリーズ約110点を一挙公開する。
なお、本展と共同で、東京都写真美術館と高知県立美術館でも石元泰博の活動をたどる展覧会シリーズを開催。東京都写真美術館では、「生命体としての都市」をテーマに、中盤から晩年までの作品から石元独自の都市観を紹介する。
展覧会「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」
会期:2020年10月10日(土)〜12月20日(日)
※入場には美術館ウェブサイトにて日時予約が必要(入場無料対象者や会員も含む)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
開館時間:11:00〜19:00(最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料:一般 1,200円(1,000円)、大・高生 800円(600円)、中学生以下 無料
※同時開催「project N 80 守山友一朗」の入場料を含む
※( )内は各種割引料金(団体受付・団体割引の実施は当面の間休止)
※障害者手帳所有者および付添1名は無料
※割引の併用および入場料の払戻は不可
※来館の際しての注意事項は美術館ウェブサイトを確認
■共同開催展スケジュール
・東京都写真美術館
展覧会「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」
会期:2020年9月29日(火)〜11月23日(月・祝)
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL:03-3280-0099
・高知県立美術館
展覧会「生誕100年 石元泰博写真展」
会期:2021年1月16日(土)〜3月14日(日)
住所:高知県高知市高須353-2
TEL:088-866-8000
【問い合わせ先】
東京オペラシティ アートギャラリー(ハローダイヤル)
TEL:03-5777-8600