京都市京セラ美術館では、開館1周年記念展「上村松園」を、2021年7月17日(土)から9月12日(日)まで、本館にて開催する。
近代京都画壇を代表する日本画家、上村松園。早くから画家として頭角を現した松園は、絵画の伝統を踏まえたうえで女性画家としての視点から独自の女性像を追求し、気品あふれる美人画の数々を手がけた。1948年には、女性で初めて文化勲章を受章している。
京都市京セラ美術館開館1周年記念展「上村松園」では、重要文化財に指定されている《序の舞》と《母子》の2点を筆頭に、最初期から絶筆にいたるまでの代表的な作品100点あまりを展示し、近代京都画壇の傑出した画家・上村松園の芸術の全貌を紹介する。
本展には、松園の代表作が集結。《長夜》(1907年、福田美術館蔵)、《花がたみ》(1915年、松柏美術館蔵)、《楊貴妃》(1922年、松柏美術館蔵)、《晩秋》をはじめ、文展、帝展、新文展に出品された作品の数々を一挙に公開する(会期中に展示替えあり)。
また、本展では《焰》と《序の舞》を、それぞれ前期・後期で展示。謡曲『葵上』に取材した《焰》は、光源氏の正妻・葵上への嫉妬のあまり生霊へと化した六条御息所を描いており、松園作品のなかでも女性の内面性がもっとも強烈に表現された作品である。一方、《序の舞》は、能楽の舞のなかでも静謐で上品な「序の舞」をテーマとしており、現代女性を描いた数少ない松園作品として知られている。
加えて、新発見となる作品《清少納言》を初公開。同作は、名作《花がたみ》と《焰》のあいだの時期に制作された、大正期の松園の名作である。本展は、その存在は知られていたものの、作品自体は長らく行方不明であった《清少納言》が発表以来初めて出品される機会となる。
さらに、木村伊兵衛の写真作品《上村松園》も、上村松園の回顧展として初出品。木村伊兵衛は、横山大観、川合玉堂、上村松園、鏑木清方の4人を撮影し、1939年、海外向けに写真集『Four Japanese Painters(四人の日本画家)』を刊行した。会場では、同書のために撮影された《上村松園》7点(1938年、東京都写真美術館蔵)を展示する。
京都市京セラ美術館開館1周年記念展「上村松園」
会期:2021年7月17日(土)〜9月12日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 7月17日(土)〜8月15日(日) / 後期 8月17日(火)〜9月12日(日)]
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1F
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00〜18:00(最終入館は17:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
料金:一般 1,800円(1,600円)、大学・高校生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料
※( )内は前売・20名以上の団体料金
※京都市内に在住・通学の高校生は無料
※障害者手帳などの提示者は本人および介護者1名無料(確認できるものを持参のこと)
※前売券は、美術館公式オンラインチケット(2021年5月14日現在休止中)、ローソンチケット(Lコード 55001)、チケットぴあ(Pコード 685-628)、イープラス、セブンチケット、CNプレイガイド、楽天チケット、主要コンビニエンスストアほかにて発売
【問い合わせ先】
京都市京セラ美術館
TEL:075-771-4334