一方、劇中ではハードなアクションシーンに挑み、ジャックのピンチを自ら銃をつかんで助ける勇敢で力強い女性を演じる。2008年に公開された『007/慰めの報酬』でも、勝気で武闘派なボンドガールを務めたのが記憶に新しい。心身ともにパワフルな役というのが、近頃スクリーンの中で見かけるオルガの姿だ。しかし聞いてみると、「私はどちらかというと頭で動くタイプなんです。」との返答が。
実際の本人は肉体派ではないようだ。
「独立心はある方だと思うし、精神的なタフさは持ち合わせていると思いますが、体を動かすのが好きとか、身体的にタフなタイプではないです。役上では、力強い女性を演じる機会に多く恵まれて、自分でも不思議に思っているくらいなのですが、こうして自分と異なる人格になれるのが俳優の良い所ですよね。」
今回は役作りのために、パーソナルトレーナーをつけ、毎朝6時に起きて2時間のトレーニングをする生活を3週間続けたという。
身長176cmに抜群のプロポーションを誇る彼女だが、意外なことに今までスタイル維持のためにも特別な運動をしたことはなかったそう。
「ランニングマシーンには自分でストップできるボタンが無くて!まわし車の中のハムスターのようでしたよ。あと、マシーンといえば戦闘シーンの撮影のために乗った宇宙船は、洗濯機とジェットコースターを合わせたような乗り心地で、どうしても好きになれませんでした。」
「でも隣にいつもトムが居てくれたから乗り越えることができましたし、彼のアクションに対する姿勢は私のモチベーションも上げてくれました。」と撮影の裏側や、憧れのスターとの共演を嬉しそうに語ってくれた。
インタビュー後の写真撮影では、東京タワーをはじめとしたビル群を横に華麗なポージングを決めたオルガ。
実は彼女、本格的に女優業を始めるまでは、数々のメゾンの広告やコレクションに登場したトップモデルとしてのキャリアを持っている。
この日は、以前広告のビジュアルを務めたこともあるケンゾー(KENZO)の真っ赤なニットトップスにヘルシーなミニスカート、それにブルーのスウェード地が美しい、クリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)のサンダルを合わせていた。
赤と青の色彩が織りなす、力強いコントラストを効かせたスタイリングは、映画の中で鮮烈なインパクト放つ彼女同様に、私たちの目を奪った。
Interview and Text by Reiko Aoyama
【ストーリー】
人類が去った地球。愛だけが残された。2077年、エイリアンの攻撃を受け、地球は全壊壊。生き残った人類は、他の惑星へと移住を果たすが、ジャック(トム・クルーズ)は荒廃した地球に残り、パトロール機バブルシップをかり、高度1,000mの上空から地球を監視している。ある日、ジャックは墜落した宇宙船で眠る美女ジュリア(オルガ・キュリレンコ)を発見する。目を覚ました彼女はなぜか逢ったことのないジャックの名を口にした。彼女に不思議な結びつきを感じながら、次第にあらゆる現実に疑問を抱くようになっていくジャック。そして二人に隠された“真実"は謎の男ビーチ(モーガン・フリーマン)によって明かされようとしていた。人類のいない地球に残されたジャックと、突如現れたジュリアの織り成す切ないラブストーリーが誕生した。
【作品情報】
『オブリビオン』原題:OBLIVION
原作・製作:ジョセフ・コシンスキー
製作:ピーター・チャーニン、ディラン・クラーク
監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ、モーガン・フリーマン、オルガ・キュリレンコ、アンドレア・ライズボロー、メリッサ・レオ、ニコライ・コスター=ワルドー
配給:東宝東和
5月31日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか、全国ロードショー
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