マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi ) 2021-22年秋冬コレクションが、パリ・ファッションウィークにて発表された。テーマは、「Nocturnal Window」。
2021年春夏シーズンに続き、今季もデザイナー黒河内真衣子は、再び「窓」がもたらす光と影の関係性へと想いを馳せる。時刻は、暗闇の中で月が煌々と輝く夜の姿をメインにした模様。窓辺のブラインドから差し込む月明かりが、やがて様々な形状の“影”へとかたちを変えていく姿を、実に多彩なラインでポエティックに表現しているのが印象的だ。
例えば影や天井を走る直線状の影は、今季の象徴を担うストライプ柄として。またソファやベッドの上で屈折しうねり合う影は、大きくカーブしたプリーツ、もしくはランダムなリブ幅を持つニットで再現している。さらに伝統的な板締め絞りの技術で染色したストライプ柄は、一見直線的でありながら、かすかな揺らぎを持つ影を繊細に表現したものでもある。
カラーは、月明かりを連想させるグレーや、月夜そのものを染め上げたようなネイビーといった“静的”なパレットを主流に、夕日のようなオレンジを差し込んで。そんなシンプルな色使いの中でも、とりわけ異彩を放っていたのが、ドレスやトップスに現れたサイケデリックなマーブルプリント。そのゆがんだフォルムや、とけ合うような姿は、“光と影”の関係性を追求した今季のテーマを体現したものともいえるだろう。
アイコニックなボタニカル柄は、アトリエの中庭に咲く金木犀が今季の主役となって登場。立体的なシルクジャカードやカットジャカード、ニットウェアだけでなく、耳元を可憐に飾るイヤーカフやピアスとしても姿を変えた。なお今季はブランド初となるアイウェアもデビュー。上品なキャットアイスタイルと共に、ブラック、グレー、クリアの全3色が展開される。