ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2021年秋冬コレクションが、2021年3月15日(月)、東京・豊洲で発表された。シーズンテーマは「不滅のロック魂」。
爆音のロックミュージックと、激しく点滅するレーザービームから、ショーはスタート。会場となったライブハウスの舞台には、カラフルなモヒカンヘアのモデルたちが次々と現れ、ロックスターさながらに舞台を駆けまわった。
今季は、言うまでもなくパンク・ロックの精神に満ち溢れたシーズン。ロックスピリットを象徴するファッションアイコンを、ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソンが得意とするハイブリッドなアプローチで再解釈したエネルギッシュなコレクションだ。
ひと際目を惹いたのが、往年のロックスターにオマージュを捧げたバンドTシャツ風のピース。エアロスミス(Aerosmith)、キス(KISS)、ザ・フー(The Who)、ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)...など挙げれば切りがないが、歴史に名を連ねる偉大なロックバンドやミュージシャンのシンボルを大胆に取り入れている。
これらのTシャツやスウェットシャツには、まるでヴィンテージアイテムのリメイクを楽しんでいるかのようなアレンジを加えた。クイーン(Queen)のメタリックロゴをあしらったスウェットシャツは、脇下に異素材のプリーツをドッキングしてドレス風に。セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のTシャツは、レオパード柄の布地をレイヤードすることでワンピース風に仕上げている。
カウンターカルチャーとして生まれたパンクスタイルは、反骨的でハードな側面がフィーチャーされがちだが、多様性に富んだ若者たちのみずみずしい感性を内包しているものでもあると思う。そんなことを連想させるのが、コレクションを彩る色とりどりのパターンだ。
スペシャルなニュースは、ヴェルサーチェ(VERSACE)のアーカイブであるバロック柄スカーフを取り入れたトレンチコートやTシャツがあるということ。その他にも、ブランドお馴染みのノルディック柄やカモフラージュ柄、タータンチェック、フラワーパターンなどが、プレイフルなリズムをもたらしている。
ショーでは、リーバイス(Levi's)とタッグを組み、名作デニムを再構築したコラボレーションピースも披露。真っ白なファーを施したデニムスカートや、テーラードジャケットとデニムパンツを融合したコートは、解体したジーンズの面影を残している。