ケンゾー(KENZO)の2021-22年秋冬コレクションが発表された。
2020年10月、ケンゾーの創業者である高田賢三が逝去した。偉大なファッションデザイナーの突然の訃報に人々が心を痛める中、アーティスティック・ディレクターのフェリペ・オリヴェイラ・バティスタは、“悲しみを「前向きで、楽しく、自由なもの」にどのように変換したらよいのだろうか”と考えた。
彼が見出したのは、悲しみを“称賛”ではなく“祝賀”として昇華させること。高田賢三が残した功績をただ振り返り、復刻させるのではなく、直感やアクシデントを大切にすることで、彼が築いてきたような新しく自由なコレクションを完成させた。
たとえば、高田賢三が手掛けたフォークロアスタイルを彷彿させる、ラッフルが付いたロングドレスには、リラクシングな生地を使用。全面にプリントした彩り豊かな草花のグラフィックと相まって、インパクトのあるモダンな一着に仕上がっている。
また、高田賢三が度々用いたパンジーやバラのグラフィックはTシャツやボディスーツ、ドレス、ジャケットなどに登場。ロング丈のTシャツにはパープルのパンジーを大胆かつ写実的に描くことで、エネルギッシュなムードを纏わせた。
ドラマチックな印象を放つ真っ赤なバラは、繊細なレースプリントの上にデザイン。平面的なドレスにあしらわれたバラとレースのグラフィックは、額におさめられた絵画をイメージさせるほどアーティスティックだ。
また、ストライプ柄をのせたアイテムが豊富なラインナップで展開されたのも今季の特徴だ。丸みを帯びたシルエットが目を引くワンピースにはホワイトとブラックの2色またはグリーン、レッド、ブラックの3色でストライプ柄をプリント。いずれもストライプ柄のトップスやヘッドウェア、タイツと合わせることでアクティブなムードを加速させた。