ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)は、2022年春夏メンズコレクションをイタリア・ローマのボルゴヌオーヴォ通りにて発表した。
コレクションが発表されたボルゴヌオーヴォ通りは、ジョルジオ アルマーニの歴史全てが始まった特別な場所。会場に象徴されるように、コレクションにおいても“原点への回帰”がキーワードとなっている。
同時に、カジュアルなスポーツウェアをごく自然にファッションとして受け入れる現代の新たな感覚も落とし込まれている。シアーな素材を用いたブルゾンや、抽象的な模様を配してシックに仕上げたフード付きジャケット、幾何学模様のTシャツなどがその好例。いずれもアクティブなムードながら、揺るがないエレガンスを持ち合わせている。
形式的なコードや制約から解き放たれた“今の感覚”を反映させつつ、上質な素材使いや端正なカッティングといったブランドの核となる部分は妥協せずにクリエーションを行うことで、より一層ジョルジオ アルマーニならではの上品さや優雅さが強調されているのが印象的だ。
深みのあるネイビーのジャケットには、ホワイトのリラクシングなパンツを組み合わせて、開放感のあるスタイルに。陽の光を受けて輝くクリーンなホワイトが、快活さを演出している。
また、連続して登場したオールホワイトのルックも目を引いた。繊細なサテンジャカードのセットアップや、しなやかなスタンドカラーシャツとパンツのコーディネート、ダブルジップのジャケットとゆったりとしたパンツの組み合わせなど、アクティブさやコンフォートさをまといながらも、凛とした表情を見せている。
丁度膝にかかる程度の丈のバミューダパンツも散見されたアイテムだ。タックを施し、立体的なフォルムに仕上げることで、端正なシルエットに。ダークトーンのバミューダパンツには光沢のあるカットソー、ジレを合わせてカジュアルさと端正さを絶妙に織り交ぜたルックを提示。フューシャピンクやエメラルドグリーンのバミューダパンツには、赤白のラインでアクセントを効かせたノーカラーシャツを合わせ、色彩の持つエネルギッシュな要素を際立たせた。
スーツスタイルは、華やかさや端正さといったスーツのオーセンティックな要素も持たせつつ、肩の力を抜いたゆとりのある佇まいに。ジャケットの襟の開きをコンパクトに仕立てた柔らかなチェック時のセットアップや、織りで縦のラインを刻んだダブルのジャケット、身体に自然にフィットする仕立てのネイビーのセットアップなどが登場している。
また、ラストにはジャケットを羽織らずに、シャイニーな質感のシャツと光沢のあるパンツを組み合わせたスタイリングを展開。新たな形のドレスルックを提示した。