Q.みんなが時代劇の面白さに気付くように、時代劇の魅力を教えてください。

その時代を一生懸命生きた人たちがいて、それぞれに美しい人生を創り上げようとしていた、それを知れることこそ、時代劇の面白さだと思っています。

それに、日本の文化を少し遡って学ぶだけで、新しいことに気付けたりもする。例えば、侍の時代と今を比べると「鍛える」という捉え方が違うと思います。今だと身体を鍛えることを連想しやすいと思うのですが、昔の人達は人間性を高めることに注目をしていたので、道徳とか儒教とか禅とか、もっと広い意味で人間性を鍛えていました。

礼儀一つをとっても、相手を敬うと昔の礼儀作法になるので、それを意識した動きをすれば、映画＝時代劇で使える作法になるんです。

Q.ロケ地も魅力的でした。

原田監督の作品は、こだわりが本当にすごいです。東寺、長谷寺…本当にこんな場所が借りられるのかと驚く場所で撮影をしていて。そこに立つだけで芝居を助けてくれる、エネルギーを感じる場所ばかりでした。

中には刀傷が残っているところなんかもあって。昔の人たちが本当にここで、こういうことをやっていたんだろうなと想像できる場所で、自分たちが扮装して撮影をすることは、空気感が違いますし、原田監督の作品の醍醐味だと思います。

『燃えよ剣』鑑賞前に…知っているともっと楽しく映画を観られる3つのポイント

1)岡田准一が作った殺陣のシーン
岡田准一のインタビューでも触れたが、主人公・土方歳三のみならず、土方が絡むすべての剣技の構築、指導を岡田が行った。沖田総司の必殺技「三段突き」や、左利きの斎藤一の刀の持ち方なども、岡田が直接山田涼介や松下洸平に演技指導を行ったという。

2)世界遺産・国宝含む全60以上のロケ地
こちらも岡田のインタビューで話題に挙がったが、世界遺産の仁和寺、二条城、東寺、西本願寺、姫路城、国宝の北野天満宮、吉備津神社など、「本当にあの場所で撮影したのか？」と驚くような場所を含む全60以上のロケ地で撮影を行っている。

3)『燃えよ剣』の時代背景を学ぶ
鑑賞前に、新選組やその時代背景について学んでおけばより理解が深まるはず。

・幕末のレジェンド「新選組」：
新選組は、1863年～1869年のわずか6年間だけ存在していた刺客集団。動乱の幕末の中で、治安維持など警察活動を行った組織で、全盛期には200名の隊士数を超える大所帯だった。

当初、芹沢鴨が局長であったが、のちに近藤勇、土方歳三が組を率いることになり、土方歳三は旧幕府軍が滅びるまで新選組を率先した。年齢、身分を問わず入隊はできたが規律に厳しく、特に新選組の副長であった土方歳三は、厳格な戒律で組織を統率したといわれる。

・土方歳三は不良だった？

新選組・副隊長として華やかな経歴で歴史を名を残す土方歳三だが、実は入隊前は田舎の“バラガキ”と呼ばれる不良＝ならず者だったとされる。京都で市中警護の募集をしていると聞きつけ「武士になりたい」という思いから京へ向かい、新選組に入隊したとされる。

・幕末はどんな時代？

新選組が活躍した幕末は、幕府と天皇が対立した時代。幕府の権力を回復させようとする佐幕派(新選組はこちらに所属)と、天皇を中心に新しい政権を目指す倒幕派が対立し、大政奉還により、鎌倉時代から約700年続いた武士による政治が終わった。

大政奉還後も、旧幕府軍と明治政府軍の対立は続き、鳥羽・伏見から甲州、宇都宮、会津、そして函館(箱館)まで、長きにわたる戦争が起きた。五稜郭の戦いと呼ばれる函館での戦争を最後に、旧幕府軍は滅び、土方歳三率いる新選組の戦いも終結したといわれる。

映画『燃えよ剣』＜あらすじ＞

開国か倒幕かー 動乱の幕末でわずか6年だけ存在した「新選組」。
彼らはいかにして、歴史に名を刻む【伝説(レジェンド)】となったのかー？
江戸時代末期。黒船が来航し開国を要求した。幕府の権力を回復させ外国から日本を守る佐幕派と、天皇を中心に新政権を目指す倒幕派の対立が深まりつつあった激動の時代。武州多摩の”バラガキ“だった土方歳三(岡田准一)は、「武士になる」という熱い夢を胸に、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)ら同志と共に京都へ向かう。徳川幕府の後ろ盾のもと、芹沢鴨(伊藤英明)を局長に擁し、市中を警護する新選組を結成。土方は副長として類まれな手腕と厳しい法度で組織を統率し、新選組は倒幕派勢力の制圧に八面六臂の活躍を見せる。お雪(柴咲コウ)と運命的に出会い惹かれあう土方だったが時流は倒幕へと傾いていき...池田屋事件、鳥羽・伏見、五稜郭の戦い...変革の世で剣を手に命を燃やした男たちの、信念と絆。愛と裏切り。そのすべてを圧倒的スケールで描き切る、スペクタクル・エンタテインメント作品。

※1：遼のしんにょうは点2つ

■作品詳細
映画『燃えよ剣』
公開日：2021年10月15日(金)全国ロードショー
原作：司馬遼太郎 「燃えよ剣」(新潮文庫刊／文藝春秋刊)
監督・脚本： 原田眞人
出演：岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、尾上右近、山田裕貴、たかお鷹、坂東巳之助、安井順平、谷田歩、金田哲、松下洸平、村本大輔、村上虹郎、阿部純子、ジョナス・ブロケ、大場泰正、坂井真紀、山路和弘、酒向芳、松角洋平、石田佳央、淵上泰史、渋川清彦、マギー、三浦誠己、吉原光夫、森本慎太郎、髙嶋政宏、柄本明、市村正親、伊藤英明
配給：東宝 アスミック・エース

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