司馬遼太郎(※1)の小説『燃えよ剣』が、主演に岡田准一を迎え実写映画化。2021年10月15日(金)より全国ロードショー。
「燃えよ剣」は司馬遼太郎(※1)の長編小説で500万部を超えるベストセラー。新選組副長・土方歳三を主人公に、近藤勇、沖田総司など新選組の志士たちの人生にフォーカスを当て、新選組の結成から、大政奉還後の各地での戦い、そして旧幕府軍が滅びるまで、彼らが生きた激動の時代を描き出す。
主人公・土方歳三を演じるのは岡田准一。類まれなる手腕で、史上最強の刺客集団「新選組」を束ね、軍才を発揮した幕末のレジェンドを演じきる。
映画『燃えよ剣』作品情報はこちらからチェック
これまで大河ドラマ「軍師官兵衛」、映画『関ヶ原』など豊富に時代劇を経験してきた岡田。数多くの歴史上の人物を演じてきた岡田から見た土方歳三の魅力とは?“時代劇になくてはならない俳優”と称されるほど、日本のアクション=殺陣を極めた俳優に時代劇の面白さについて話を聞いた。
Q.土方歳三には強く興味を抱いていたそうですね。
土方歳三は、いつか自分が演じるかなと思っていた唯一の人物。「なぜ演じると思ったのか」と聞かれると“直感”としか言いようがないのですが。言葉では説明できない、本当に魅力的で面白い役柄だと思っています。
この間、土方という人物を想い続け、考え続け、調べ続けてきました。「男の一生は、美しさを作るものだ」という土方歳三の言葉があるのですが、このフレーズは、映画『燃えよ剣』の題材にも当てはまりますし、「美しさを自分の中で見出す美しさ」というのは共感した部分です。
Q.どのように向き合いましたか?
僕は、主人公を演じるときに、ただ好戦的な人としては演じません。よほどそういうキャラクターであれば話は別ですが、本当に戦いを経験している人は、どこかに悲しみや寂しさを知っています。これは、僕が格闘技や武術を学び、教えているからこそ感じることかもしれませんが、どんな人物も戦いに疲れていたり、悩みや葛藤を一通り抱えた上で、進み続けることを決断していると思うのです。
なので演じる上で、そういう「男道」のようなものを醸し出せたらいいなと。自分から出すというより、何かを感じさせる。深く悩んだり思ったことがあるということ、無情さを知っているということが、どこか匂うのが一番かっこいいなと思うんです。
Q.岡田さんが演じられた土方歳三は本当にかっこよかったです。
かっこよく見えたのであれば成功ですかね?(笑)。僕は、ジャニーズ事務所にいながら、役者という仕事をしているので、どうしても“岡田准一”というイメージが立ってしまいます。なので、自分ではなく、演じた役柄が愛されるというのはこだわって目指しているところですね。
今でも「『木更津キャッツアイ』のぶっさん好きでした」「『永遠の0』の宮部久蔵よかった」と役柄で声をかけていただけることがありますが、そうやって役柄で呼ばれると、その作品に関しては“成功”だと思っています。そういう意味で『燃えよ剣』という作品では、土方の人生がかっこよく見えたのであれば成功かなと。
それと、役者として役に振り向いてもらえる瞬間があるのは、成功の鍵だと思います。演じているとき、ごく希に役柄が振り向いてくれるときがあります。『燃えよ剣』の土方歳三を演じさせていただいて、土方さんが微笑んでくれたような、そんな気がしています。
俳優、そしてアイドルとして活躍を続ける岡田准一だが、武術や格闘技にも長けており、インストラクター資格も持つ。『燃えよ剣』では剣技の構築、指導も行った。
Q.アクションを極めようと思ったのはなぜですか?
若い頃、時代劇、そして現代アクション、この2つが売れるコンテンツになる、なればいいなと願いを込めて勉強し始めました。
特に時代劇は“世界で売れていた”実績のある映画コンテンツなので、日本から世界へうまく発信できるポテンシャルがあると信じて勉強してきました。
正直いま日本映画が、商業的に世界で売れるコンテンツかどうかというのはわかりません。ですが、個人的な願いとして日本の映画産業が発展して欲しいという気持ちがあって、それならコアな映画よりもエンタメをやれた方がいいなと、僕は思っています。
ここ10年くらいでアクション映画は増えていますが、「SP」シリーズを始めた、2007、2008年の頃、正直、日本にはアクションというジャンルがあまり根付いていませんでした。自分の思想と合う人が中々おらず、一緒にアクションを盛り上げようという仲間も多くはなかったですね。
やっと最近「アクションを教えてほしい」という声もかかるようになり、少しずつ仲間が増えてきました。でも、世界に誇るアクションというのはまだできていないので、もっと仲間を増やしていきたいです。