その独創的で個性豊かな香りをもって、フレグランス界で年々存在感を高めている“ニッチフレグランス”を特集。本記事では、国内唯一の専門店「ノーズショップ」の協力のもと、同店で人気のおすすめブランド・香水を一挙紹介する。

ニッチフレグレンスとは？

ニッチフレグランスとは、著名なラグジュアリーブランドやファッションブランド“ではない”、独立系/新進気鋭のブランドが作るフレグランス。その言葉自体に明確な定義はないものの、自分だけの個性的な香りを求める世界的なムーブメントの中で人気が高まっている、新たな香水の分野だ。

少量生産で希少性の高い香水作りを行う専業メゾンが多く、ブランドのコンセプトや調香師の嗜好が強く反映された香りが多くリリースされているのが特徴。時にメゾンブランドより高級に、時にクレイジーな視点で、新しいフレグランスの世界を提案している。

国内唯一の専門店「ノーズショップ」

そんなニッチフレグランスを専門に取り扱うのが、東京を中心に店舗を展開する「ノーズショップ」。「誰かにとって良い香りが、自分にとっても良い香りだとは限らない」。そんな前提のもと、世界各地から厳選した多彩なフレグランスを紹介してくれる、国内唯一にして最大の専門店だ。今回の特集では、「ノーズショップ」で人気のブランド/フレグランス7種類をピックアップ。気になる香りを見つけたら、とにかくまずは店舗に足を運び、自分自身の鼻で実際に香りを体感してみることをおすすめする。

「ノーズショップ」の人気ニッチフレグランス

＜ラボラトリオ オルファティーボ＞「ニードユー」

香りの芸術作品を生み出すためにイタリアで生まれた「ラボラトリオ オルファティーボ(Laboratorio Olfattivo)」は、“芸術的な至高の香りを産み出すこと”を唯一のルールに設定したフレグランスブランド。日本語に訳すると「嗅覚の実験室」となるブランド名の通り、若手パフューマーたちが感性と創造性だけを頼りに作り出す、実験的な香りを提案している。

人気No.1の「ニードユー」は、“ニードユー＝need you”の名の通り、人の皮膚との遭遇によってはじめて、その芳香の分子が放たれるというフレグランス。シトラスとペッパーの小気味良いトップノートから華やかなジャスミン、そして甘く親密なムスクのベースノートへと続く、魅惑的な香りだ。

30mlサイズ：9,900円 ※数量限定生産、100mlサイズ：18,700円

トップ｜レモン(イタリア産)、ピンクペッパー
ボディ｜白い花々、ジャスミン、波のしぶき
ベース｜アンブロキサン、サンダルウッド、ホワイト・ムスク

＜ニシャネ＞「ウーロンチャ｜烏龍茶」

続いて紹介する「ニシャネ(Nishane)」は、トルコ最大の都市イスタンブール初にして唯一の高級ニッチフレグランスブランド。「自分の神話を広げよう」をモットーに、トルコの稀有な地理的特徴を背景にした独自のカルチャーを色濃く反映させたフレグランスを提案している。天然原料を賦香率(アルコールに溶かした香料の割合)30%超という高濃度で配合しており、一般的なオードパルファムよりさらに長く続く、贅沢で力強い香りが特徴だ。

「ノーズショップ」で人気の「ウーロンチャ｜烏龍茶」は、シルクロードを通ってトルコに献上された中国産の烏龍茶に着想を得た、ニシャネならではのフレグランス。ウーロン茶の心地よい香りと共にベルガモットやオレンジ、マンダリンなどの柑橘類が弾ける、上質なフルーツティーのような芳香が楽しめる。

15mlサイズ：13,200円、50ml サイズ：23,100円

トップ｜ベルガモット、オレンジ、アオモジ、マンダリン
ボディ｜ウーロン茶、ナツメグ
ベース｜ムスク、フィグ

＜ニコライ＞「フィグティー」

「ニコライ(Nicolai)」は、名家・ゲラン家の血を引く女性調香師パトリシア・ド・ニコライが1989年にフランスで設立したブランド。香水界のサラブレッドながら、本来は秘匿される香水作りの全工程を見せるガラス張りのラボを店舗に併設するなど、常識を覆す香水作りを実践。若いブランドが多いニッチフレグランスの世界で古くから業界を牽引し続ける、パイオニア的存在だ。

王道を避け、ひねりを効かせたフルーツティーを表現した「フィグティー」は、ニコライ の人気フレグランス。フィグ＝イチジクを主役に、隠し味に忍ばせたコリアンダー、控えめなジャスミンを効かせることで、軽やかで洗練された香りに仕上げている。

30mlサイズ：7,150円、100mlサイズ：20,350円

トップ｜オスマンサス、オレンジ
ボディ｜ジャスミン、ダバナ、コリアンダー
ベース｜マテ茶、ユソウボク、アンバー

＜エタ リーブル ド オランジェ＞「ゴースト イン ザ シェル｜攻殻機動隊」

創設者兼・調香師のエチエンヌ・ドゥ・スワールが率いる「エタ リーブル ド オランジェ(Etat Libre d'Orange)」は、ニッチフレグレンスの世界でもひときわ特異な輝きを放つ存在。香料生産時の廃棄物を最新技術でアップサイクルした香料で作る香水や、調香に特化したAIと人間の調香師による合作香水など、常に話題に事欠かないフレグランスを発表し続けている。

2021年10月に発売された「ゴースト イン ザ シェル｜攻殻機動隊」は、士郎正宗原作の「攻殻機動隊」とのコラボレーションによって生まれたフレグランス。エチエンヌ自身が大ファンだと公言する「攻殻機動隊」の世界にインスピレーションを得て、天然の原料とバイオテクノロジーが互いを補い合うという、香水の新しい未来を提案した異色の作品だ。

7.5mlサイズ：4,290円、30mlサイズ：9,350円、50mlサイズ：13,750円、100mlサイズ：20,350円

トップ｜アクエル、ユズ(HE)、ヘキシルアセテート(MANE社／バイオテクノロジー)
ボディ｜ジャスミン(Abs)ムギャン、ミルキースキンアコード
ベース｜モスアコード、ビニルグアイアコール(MANE社／バイオテクノロジー)、オルカノックス