2013年9月28日(土)、ジュンヤワタナベ・コム デ ギャルソン (Junya Watanabe COMME des GARCONS)が2014年春夏コレクションをパリファッションウイークにて披露した。
ファッションウイークもちょうど中盤に差し掛かったころ、ジュンヤワタナベが吹き込んだのは神秘的なフォークロアのムードだった。色合いや、全体から放たれるどこか荒廃的な雰囲気とは裏腹に、使われているアイテムはスタンダードかつディテールは繊細。中でも、特筆すべきは”フリンジ”だろう。細く切り裂いたり、編み込んだり。それらを垂らし、ねじり、そしてドレーピングに用いる。こうして巧みに操ることで、ワントーンのコットンドレスに豊かな表情を与えることに成功した。
2種類の定番アウターも、もちろんただでは登場させない。ライダースジャケットは合皮にしわ加工を施し、少し荒んだ風合いを足すことで、コレクション全体の雰囲気に馴染むように。さらに、胸元の高い位置にバックルをつけている。トレンチコートは、袖口を2つ設けてトリッキーな着こなしを可能にした。ワンボタンだと、ポンチョ風でより軽やかに。足首まで伸びるロングな丈感と、美しいショルダーラインに仕立てられたドレスコート風のデザインには、エレガンスが宿る。
昨シーズン注目を集めたパッチワークデニムは、ネイティブアメリカン柄やヒッピーなフラワープリントによってアップデートされていた。そして、足元のスタッズで覆われたマニッシュなシューズや、ブレイズとフェザーでデコレートされたヘアなどの名脇役たちにも自然と視線が注がれる。