ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)が2014年春夏コレクションを発表した。“MINIMAL ART ROCK 70”をテーマに、1970年にこの世を去ったアメリカの抽象表現主義の画家、マーク・ロスコ(Mark Rothko)へ捧げられたショーを披露。ロスコのもつアートの哲学をそのまま服に落とし込み、カラーやシルエット等が作品のように展開されていく。
アルヴォ・ペルトのピアノの曲で幕を開けたショーは、徐々にアブストラクトなドローンへと変化していく。ニットトップスやカーディガンは、ロスコの曖昧な矩形が浮かぶ絵画をイメージ。綿麻のボディーに毛足の長いモヘアのインターシャで、茫洋とした形を生み出した。ワイドクロップドパンツやショートボトムも、足の隙間を見せないようデザインされ、シルエットからもその矩形をイメージさせる。
カラーはマルーン(赤茶色)、オレンジ、ロイヤルブルーといった鮮やかで深みのある色合いに、ブラック、グレーベージュ、ダークベージュの暗いトーンが織り交ざる。トップス、ボトム、シューズの柄物は、手描きにより繊細に表現したカモフラージュのグラフィック。闇から浮かび上がるような″羽″の総柄は、ロスコと同時代の抽象画家フランツ・クライン(Franz Kline)の絵画がモチーフになっている。
長め丈のコートやコンパクトなジャケットなどスマートなアウターは、襟などの装飾を極限まで排除することで、色やシルエットを際立たせ、アイテムが持つ概念を超えたミニマルなデザインへと落とし込まれる。また巻きスカート風のボトムやエプロンを取り入れたスタイルは、ジェンダーレスな要素を感じさせた。