ペイエン(PEIEN)の2022-23年秋冬コレクションが、2022年3月15日(火)に東京・南青山でインスタレーションショーによって発表された。2016年よりスタートしたブランドにとって初となる、東京コレクションへの参加となる。
“internal”をテーマに掲げた今シーズン。デザイナー・伊澤直子の心を捉えたのは、リノベーションをする際に姿を現した打ちっぱなしの壁や剥き出しになった水道管だ。普段は外側から見えないが、たしかにそこに存在するもの。そして、見えた時に強い印象を与えるものに思いを馳せながら、自由さや力強さを表現したコレクションを展開する。
ネオンカラーの照明が彩りを添えるモダンな空間で発表されたインスタレーションショー。まず目を引くのは、ライナーや芯地、タグなど通常であれば表側から見えないディテールをあえて見えるように設定した、今季のテーマを象徴するようなアイテムだ。一度完成したであろうトレンチコートは分解され、ストライプ柄のライナーやポケットの内側を見せるようにデザインした。
そんなやや無骨な印象を与える脱構築的なアイテムと一緒に提案されたのは、ブランドが得意とするニットウェア。ラメ糸で編み上げたアシンメトリーデザインのキャミソールや、素材や編地を変えながら奥行きのあるデザインに仕上げたトップスなどが展開された。いずれも随所に施されたほつれたような糸が、エフォートレスで儚げなムードを演出する。
また、フェイクレザーやエナメルなどニット以外の素材を用いたアイテムが散見されたのも今季の特徴といえる。Vネックのニットドレスには艶めくフェイクレザーのコートをスタイリング。皺感のあるシャツにはフューチャリスティックな印象のエナメルジャケットを合わせ、遊び心溢れるミックススタイルを提案した。
カラーは、ネイビーやブラック、グレーといったベーシックなパレットを基調としつつ、時折はっとさせるほど鮮やかな色味を織り交ぜることでアクセントをプラス。真っ赤なニットベストは、明るくパワフルな色味をより一層引き立たせるように、ネイビーのテーラードジャケット&ワンピースと一緒に提案された。