マックスマーラ(Max Mara)の2023年春夏コレクションが発表された。
今シーズンの舞台となるのは、1920年代、太陽が降り注ぐ地中海のビーチ。多くの芸術家が夏のバカンスを過ごしたというリヴィエラに思いを馳せ、大人のアーバンリゾートスタイルを提案した。
具体的なインスピレーション源となったのは、当時モデルとして活躍していたルーマニア人のルネ・ペルルと、アイルランド出身のインテリアデザイナー、アイリーン・グレイ。「1920年代のファッションや建築を体現した2人の女性が、リヴィエラの地で出会っていたら…?」そんな空想から、ルックのイメージを膨らませたという。
たとえば、本コレクションを象徴する、背中の大きく開いたタンクトップやボリューミーなキャンバス地のセーラーパンツ、柔らかいつば広のハットといったアイテムは、ルネ・ペルルの定番の装いから引用したもの。彼女のリゾートスタイルにならって、スイムウェアを彷彿とさせるミニマルなロンパースも登場した。
Tシャツやニットは、ヘルシーな肌見せを叶えるクロップド丈が基本。抜け感のあるトップスの上からきっちりとしたジャケットやロングコートを羽織り、スポーティーさとエレガントさの絶妙なバランスを保っているのがマックスマーラらしい。
ウォッシュドコットンドリル素材のメンズライクなワークジャケットは、襟を立てることでレディな印象に。ボトムスには同素材・同色のペンシルスカートを組み合わせ、洗練されたムードにまとめ上げた。なお、ジャケット&スカートを染め上げた“地中海ブルー”のカラーは、アイリーン・グレイが建てた別荘「E1027」のカラーから着想したものだとか。
ホワイトやサンド、ブラックといったシンプルなカラーパレットの中でひときわ目を惹いたのが、太陽の光を浴びて色褪せたかのようなグリーンやブルー、イエローの色彩。かっちりと構築的なコートに、これらの柔らかなカラーを纏わせることで、どこかノスタルジックなムードを引き出しているのが印象的だ。
ショーの終盤には、手描きのフラワーモチーフを配したセットアップやヘッドピースがお目見え。これまでのシンプルなルックからムードを切り替え、大胆かつフェミニンな雰囲気でコレクションを締め上げた。