ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2014-15年秋冬メンズ・コレクションが発表された。テーマは「デジタルな旅」。航空写真で見た、ラテンアメリカの文化遺産がインスピレーション源となっている。古来のものに着想を得ながらも、ノスタルジックではなく、むしろテクニカルでモダンな仕上がりになっているのはさすがだ。
アースカラーを中心としたカラーパレットは、シックな印象。素材はカシミヤ、ウール、アルパカ、シルクそしてトレードマークのレザーが中心になっている。ホワイトのニットウェアーに描かれているのは、ナスカの地上絵の動物モチーフ。また、ペルーの伝統的な衣服を思わせるニードルパンチ加工のストライプ柄や、アタカマ砂漠をイメージさせるオールベージュのルックなど、要所要所にラテンアメリカらしいディティールが散りばめられている。
シルエットはライトでスリム。丸みを帯びたショルダー部分から、下にストンと落ちるように仕立てられたテーラリングがクリーンな雰囲気を醸し出している。カッティングはテーマの「デジタル」に合わせ、立体的というよりも2次元的なフォーム。ジップアップのセーターやウインドブレーカーなど、アウトドア向けのウェアーも目立った。
人気のダミエシリーズには、パリジャンらしいミッドナイトブルーが登場。ファッショナブルでありながら、ビジネスの場でも活躍しそうなコンテンポラリーな仕上がり。
先進的な技術と洗練されたナチュラルファブリックという、ユニークなコンビネーションが鍵となった今回のショー。ルイ・ヴィトンの持つイノベーションと伝統的クラフツマンシップが合わさって初めて生まれる、「デジタル」なのに「コピー&ペースト」できない唯一無二のコレクションが完成した。