展覧会「大本山 相国寺と金閣・銀閣の名宝」が、大分県立美術館にて、2022年11月26日(土)から2023年1月22日(日)まで開催される。
京都の相国寺は、1382年(永徳2年)、室町幕府三代将軍の足利義満によって創建された寺院だ。幕府と朝廷が定めた「京都五山」という格式ある禅寺のひとつであり、中世以来日本の文化を先導する役割を担ってきた。
展覧会「大本山 相国寺と金閣・銀閣の名宝」では、相国寺ばかりでなく、鹿苑寺(金閣)や慈照寺(銀閣)といった同寺の塔頭(たっちゅう)も含めて、各寺院の所蔵する名宝73点を紹介。長谷川等伯や伊藤若冲、円山応挙、狩野探幽、本阿弥光悦などの絵画の名品から、禅画、墨蹟、唐物、茶道具、そして日本画家・岩澤重夫による金閣寺客殿障壁画まで、日本美術の名品を一堂に集めて展示する。
会場では、江戸時代の絵師・伊藤若冲の作品を約20点紹介。相国寺の第113世住職であった大典顕常(だいてん けんじょう)は、若冲の支援者であり、親友でもあったため、相国寺には若冲の作品が数多く伝えられている。本展では特に、大胆で力強い墨線と緻密な描法で描かれた墨絵作品を数多く取り上げ、《鹿苑寺大書院旧蔵障壁画 松鶴図襖絵》などを展示するとともに、 《中鶏・左右梅図》といった着彩画も紹介する。
また、本展では、戦後の京都画壇で活躍した大分県日田市出身の日本画家・岩澤重夫が、その最晩年に手がけた金閣寺客殿障壁画を公開。3年間にわたる構想ののち、北の間には「写実の梅」、中の間には「抽象の桜」、そして南の間には「プラチナと薄墨の山水」という主題のもとで制作された障壁画は、雄大で写実的な風景画を得意とした岩澤の集大成であるばかりでなく、あえて抽象画にも挑んだ意欲作でもある。会場では、岩澤の絶筆でもあるこの作品を目にすることができる。
そのほか、本展では、江戸時代中期の京都で活躍した絵師・円山応挙の代表作である《牡丹孔雀図》や、狩野派の重要な絵師である狩野探幽が、2人の弟である尚信、安信とともに描いた《中観音図・猿猴図》など、名宝の数々を展示する。
展覧会「大本山 相国寺と金閣・銀閣の名宝」
会期:2022年11月26日(土)〜2023年1月22日(日)
会場:大分県立美術館 3階 展示室B、コレクション展示室
住所:大分県大分市寿町2-1
開館時間:10:00〜19:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休展日:12月26日(月 / 展示替え)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 800円(600円)、中学生以下 無料
※( )内は前売および有料入場20名以上の団体料金
※大分県芸術文化友の会びびKOTOBUKI無料(同伴者1名半額)、TAKASAGO無料、UME団体料金
※障がい者手帳などの提示者とその付添者1名は無料
※学生は入場時に学生証を提示
【展覧会概要】
大分県立美術館
TEL:097-533-4500