フランソワ・オゾン監督・脚本の映画『すべてうまくいきますように』が、2023年2月3日(金)より公開される。
映画『すべてうまくいきますように』は、『まぼろし』『8人の女たち』『Summer of 85』など、新作を発表するたびに、異なるテーマで観る者を魅了してきたフランス映画界の名匠フランソワ・オゾンによる作品。全ての人に訪れる“死”をテーマにしながらも、ユーモラスな会話劇とスタイリッシュな映像で、「家族の愛とは何か」「人生とは何か」という普遍的な問いを軽やかに投げかける。
物語のベースとなっているのは、“安楽死”を巡る父娘の葛藤を描いた、『スイミング・プール』の脚本家エマニュエル・ベルンエイムによる自伝的小説だ。
自分らしく一生を終えるために“安楽死”の手伝いをしてほしいと父から告げられたエマニュエル。困惑しつつも、着々と段取りを進めるうち、父が生きる喜びを取り戻したかのように見えてくる。果たして“安楽死”を決行するのか?そんなサスペンスフルで緊迫感に満ちた展開の先に、想像を裏切る結末が待つ。
主演は、フランソワ・オゾンとは初タッグとなるフランスの国民的俳優ソフィー・マルソー。フランス映画の重鎮アンドレ・デュソリエと共に親子役を演じ、涙と笑いに溢れる感動ドラマをつくり上げた。
■主人公・エマニュエル...ソフィー・マルソー
小説家。本音しか言わない父の言動に父親に振り回され、時には傷つきながらも、父を人として敬愛する。深刻な時にも父から受け継いだユーモアを忘れない。父から安楽死のサポートをして欲しいと告げられる。最初は困惑するが、最後の願いに寄り添うことを決意。
演じるのは、『ラ・ブーム』でスーパーアイドルとなり、その後も『ブレイブハート』や「007」シリーズ『ワールド・イズ・ノット・イナフ』などの大作に出演し、広く愛され続けているソフィー・マルソー。
■アンドレ...アンドレ・デュソリエ
エマニュエルの父。現在85歳。毒舌、頑固、ワガママ、いじわる。しかし、芸術や美食を楽しみ、ユーモアと好奇心にあふれる人物。脳卒中が原因で右半身不随を患っており、自分らしく一生を終えることを望む。娘・エマニュエルのサポートの元、着々と段取りが進んでいく...。そんな中で、リハビリが功を奏し日に日に回復し、アンドレは生きる喜びを見出していく。果たして“安楽死”を決行するのか?
しかし、そのすべてが魅力とも言える人物。フランソワ・トリュフォー監督の『私のように美しい娘』や、エリック・ロメール監督の『美しき結婚』で知られる、名優アンドレ・デュソリエが務める。
■クロード...シャーロット・ランプリング
エマニュエルの母。鬱病を患う。アンドレとは長年別居中の身であり、安楽死の話を聞いてもリアクションが薄く、アンドレの愛人ジェラールの存在を気にする素振りもあるが…クロードの想いはどこに?
『さざなみ』でアカデミー賞にノミネートされ、フランソワ・オゾンとは『まぼろし』『スイミング・プール』『17歳』でタッグを組んできたシャーロット・ランプリングが演じる。
■パスカル...ジェラルディーヌ・ペラス
エマニュエルの妹。父と姉の絆に複雑な想いを抱き嫉妬することもあるが、こうと決めたら真っ直ぐな姉を慕う健気な一面もある。父の気が変わることを望んでいる。
パスカル役は『17歳』でセザール賞にノミネートされたジェラルディーヌ・ペラスが担当。
■安楽死支援協会の女性...ハンナ・シグラ
合法的に安楽死を支援するスイスの協会から派遣されてくる、怪しげなスイス人女性。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』や『マリア・ブラウンの結婚』で知られるドイツ人俳優ハンナ・シグラが演じる。
何より生きることを愛していた父アンドレが突然、安楽死を願う。脳卒中により、身体の自由がきかなくなったという現実が受け入れられず、人生を終わらせるのを手伝ってほしいと娘のエマニュエルに頼んだのだ。エマニュエルは妹のパスカルと、父の気が変わることを望みながらも、スイスの合法的に安楽死を支援する協会とコンタクトをとる。一方で、徐々に回復する父は、孫の演奏会やお気に入りのレストランへ出かけ、生きる喜びを取り戻したかのように見えた。だが、父はまるで楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる。娘たちは戸惑い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとする。
【詳細】
映画『すべてうまくいきますように』
原題:Tout s'est bien passé
公開日:2023年2月3日(金)
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエ、ジェラルディーヌ・ペラス、シャーロット・ランプリング、ハンナ・シグラ、エリック・カラヴァカ、グレゴリー・ガドゥボワ