展覧会「生誕120年 大沢昌助展」が、東京の練馬区立美術館にて、2023年4月29日(土・祝)から6月18日(日)まで開催される。
大沢昌助(おおさわ しょうすけ)は、戦前・戦後の社会を見据えつつ独自のスタイルを貫いた、昭和を代表する美術家だ。1903年に生まれ、初期には古代ギリシア彫刻が持つ均整の取れたモニュメンタルな人物表現を手がけたものの、50年代からは抽象的な表現をスタート。80年代から晩年の90年代まで、自由な画風の抽象絵画を展開した。また、旧国立競技場などの壁画にも携わっている。
展覧会「生誕120年 大沢昌助展」では、練馬区立美術館が所蔵する大沢の作品に加え、作画の原点であるスケッチ類、新収蔵品や新発見の作品など、約120点を紹介。1980〜90年代の抽象画も含めて、大沢の活動へと多面的に光をあててゆく。
近代黎明期の建築家、大沢三之助のもとに生まれた大沢昌助は、東京美術学校西洋画科を卒業後、1929年に《丘上の少年》などで二科展に初入選。当時の画壇の主流であった抽象美術やシュルレアリスムからは距離を置きつつ、古代ギリシア彫刻が持つ均整の取れた人物表現に関心を抱き、《水浴》などを手がけた。
1950年代に入ると、大沢は抽象表現を手がけ始め、60年代には自由な発想を明快な形態で表現するようになった。その例として、1961年の《亡霊》を挙げることができる。そして80年代以降には、ひとつのスタイルに留まることなく、伸びやかな感覚を抽象絵画に反映させていった。会場では、《変わっていく繰り返し》や《緑と青》、《黒いおもかげ》 など、作風を自由に展開させていった抽象絵画の数々を目にすることができる。
また、本展では、大沢が手がけた壁画も紹介。大沢は、旧国立競技場や東京都庁内都議会議事堂などの壁画を手がけている。建物に付随する壁画は、制作当時の社会情勢や美術動向を反映するモニュメントであると同時に、建物の建て替えにより保存が難しい、戦後絵画の記録でもある。会場では、都内3か所の壁画の映像を、原画とともに紹介する。
展覧会「生誕120年 大沢昌助展」
会期:2023年4月29日(土・祝)〜6月18日(日)
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生・65〜74歳 800円、中学生以下・75歳以上 無料
※障害者手帳の提示者(介添者1名まで)は一般 500円、高校・大学生 400円
※一般以外(無料・割引対象者)は、年齢などを確認できるものを持参のこと
※展覧会の最新情報については美術館ホームページを確認のこと
※画像の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
練馬区立美術館
TEL:03-3577-1821