企画展「民藝 MINGEI—美は暮らしのなかにある」が、大阪中之島美術館にて、2023年7月8日(土)から9月18日(月・祝)まで開催される。その後、東京の世田谷美術館、愛知の名古屋市美術館などを巡回予定だ。
思想家・柳宗悦が民衆的工藝、いわゆる「民藝」を説いてから、およそ100年が経つ。日々の生活のなか、名もない作り手が生みだす日用品にこそ「美」が宿る、という民藝の考え方は、現在あらためて注目を集め、人びとの暮らしに身近なものになりつつあるといえる。
企画展「民藝 MINGEI—美は暮らしのなかにある」は、大阪中之島美術館では初となる、民藝をテーマとする展覧会。東京・日本民藝館や静岡市立芹沢銈介美術館が所蔵する民藝の名品約150件を一堂に集め、「衣・食・住」に着目しつつ紹介するとともに、民藝の今とこれからにも光をあてる。
柳は、日本のみならず、朝鮮半島や中国、欧米などにも足を運び、民藝の品々を収集した。そのジャンルは、陶磁や染織、木工から、絵画、家具調度に至るまで、多岐にわたっている。本展では、これら民藝の品々を「衣・食・住」に分類しつつ紹介し、それらに「美」を見出した柳の視点をひもといてゆく。
世界各地に目を向けた柳がなかでも称賛を惜しまなかったのが、沖縄の民藝である。日本本土から遠く離れた沖縄は、古い歴史のもと、独自の文化や風習を育んできた。会場では、色鮮やかな沖縄の模様染「紅型」をはじめ、織物、陶器、漆器などを通して、かつての沖縄の暮らしを紹介する。
1961年に柳がこの世を去ったのちにも、民藝運動は広がりを見せた。たとえば、濱田庄司、芹沢銈介、外村吉之介が72年に刊行した書籍『世界の民芸』では、ヨーロッパや南アメリカ、アフリカなど、世界各国の品々が紹介されている。また、民藝運動を通して注目を集めた日本各地の工芸の産地でも、伝統を受け継ぎつつ新たな職人や手仕事品が生まれている。
本展では、柳以後の民藝運動の展開に着目し、世界各地の気候風土や生活のもとで育まれた民藝を紹介。また、現代の日本における民藝にも目を向け、大分県の「小鹿田焼」、兵庫県の「丹波布」、岩手県の「鳥越竹細工」、富山県の「八尾和紙」、そして岡山県の「倉敷ガラス」、これら5つの産地の作り手と今に光をあてる。
企画展「民藝 MINGEI—美は暮らしのなかにある」
会期:2023年7月8日(土)〜9月18日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 1,700円(1,500円)、高校・大学生 1,300円(1,000円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
■巡回情報
・福島会場
会期:2023年10月28日(土)〜12月17日(日)
会場:いわき市立美術館(福島県いわき市平字堂根町4-4)
・広島会場
会期:2024年2月10日(土)〜3月24日(日)
会場:東広島市立美術館(広島県東広島市西条栄町9-1)
・東京会場
会期:2024年4月24日(水)〜6月30日(日)
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
・富山会場
会期:2024年7月13日(土)〜9月23日(月・振)
会場:富山県美術館(富山県富山市木場町3-20)
・愛知会場
会期:2024年10月5日(土)〜12月22日(日)
会場:名古屋市美術館(愛知県名古屋市中区栄2-17-25(芸術と科学の杜・白川公園内)0
・福岡会場
会期:2025年2月8日(土)〜4月6日(日)
会場:福岡市博物館(福岡市早良区百道浜3-1-1)
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